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電気学会産業応用部門リニアドライブ技術委員会第3回アクチュエータの未来予測調査専門委員会(2024年6月5日)


はじめに

電気学会産業応用部門リニアドライブ技術委員会第3回アクチュエータの未来予測調査専門委員会(2023年7月~2027年6月)の第3回研究会

今回は、茨城大学日立キャンパスの北山文矢先生の研究室を訪問する。

プログラム

日時:2024年6月5日(水) 14:00~16:00
場所:茨城大学 日立キャンパス E5棟201室
1.報告事項
2.講演「多質点型リニア振動アクチュエータ,磁気式波動歯車,MR流体変速機の研究開発」
茨城大学 理工学研究科 機械システム工学領域 北山 文矢 先生
3.磁気波動減速機に関するディスカッション
4.研究室見学(北山文矢先生の研究室)

14:00-14:15 報告事項 

親委員会の資料を基に年間計画などを報告した。
我々の委員会が回転機・家電/民生調査専門委員会と持ち回りで幹事を担当している
8月1日、2日開催のリニアドライブ研究会が
直近の行事になる。

14:15-15:33 講演「多質点型リニア振動アクチュエータ,磁気式波動歯車,MR流体変速機の研究開発」

北山文矢先生の研究内容の紹介

1)リニア振動アクチュエータ

北山先生は平田研時代に
2軸リニア振動アクチュエータの研究に携わり、
開発した振動アクチュエータはパナソニックの電動歯ブラシに採用されている業績の持ち主。

この時に共振周波数を可変にしたいと思い
2可動子型リニア振動アクチュエータを開発した
しかし、この構造は周波数を2以上に増やせないので
吸着離脱機構を持つ質量をばねで直列に並べる構造を考案した。
これなら共振周波数の数をいくらでも増やすことができる

吸着離脱に永久磁石と電磁石を組み合わせたEPM(永電磁石)を使用した。
EPMは、おもにドローンの吸着離脱用に商品化されているそうだ

2)磁気式波動歯車

波動歯車(商品名ハーモニックドライブ)の軽量化と低摩擦損失を目指し、
永久磁石でリングを楕円変形させる磁気式波動歯車の構造を提案し、その最適設計を行った。

過負荷で脱調するところは欠点でもあり利点でもある
歩行補助具の減速機構を想定しているが、脱調したときはロックするので安全は担保されている。

3)完全人工心臓

右心室のみを人工心臓に置き換えると左心室が悪くなる事例が多数報告されているので、左心室と右心室を一つのモータで駆動するコンパクトな人工心臓を開発した。
このままでは肺に血流が溜まる現象が見られるので左心室を右心室に対して可変速にしたい
そこで、MR(磁性抵抗)流体で左心室側を滑らせて速度可変にする機構を付け加えた。

質疑応答では広範な研究分野に対して幅広い質問がなされた

15:40-16:00 2050年のアクチュエータの姿

本委員会の特徴は、講演していただいた先生のアクチュエータが2050年にはどのような進展を遂げ、どのように使用されているかをディスカッションするところにある。

北村先生の希望で「磁気式波動歯車」に焦点を当ててディスカッションが行われた

16:00-16:40 研究室見学

人工心臓以外はデモをしていただくことができた。
永電磁石など、実物に触るとさまざまな発見がある。
どういう環境で実験しているのかなどいろいろ面白かった

17:00-20:30 懇親会

北山先生に紹介していただいた店で
名大や東大の学生さんも参加され、前回に引き続いて大いに盛り上がった。
11人で長居してしまったが、
店を出るときに店長に感謝の言葉をかけられた。

おわりに

コロナ禍で下火になっていた委員会が、
学生さんもオブザーバ参加されて、大いに盛り上がってきた。
2年後には未来予測の電気学会報告書発行が控えている

良い報告書を出せるように
さらに委員会を盛り上げていきたい



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