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電気学会産業応用フォーラム「情報と運動を一体化するインフォモーション工学とその応用」(2018年12月17日)

はじめに

電気学会の委員会は、「電気学会技術報告」を出版したあとに、「技術報告」を教科書として有料の「産業応用フォーラム」を開催するのが基本となっている。

私が委員長を務める電気学会産業応用部門リニアドライブ技術部門「アクチュエータの多自由度化およびネットワーク化動向予測調査専門委員会」で、産業応用フォーラムを開催する順番が回ってきた。

ただし、今回は「技術報告」刊行から時間がたっていることもあり、
産業応用フォーラムは、委員会が調査に力を入れている「アクチュエータをセンサと同列に扱ってネットワークにつなぐ話」

「インフォーモーション学」で産業応用フォーラムを開催した。

情報と運動を一体化するインフォモーション工学とその応用

日時:2018年12月17日(月) 13:30~16:30
場所:首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス

 アクチュエータを取り巻く環境

(JAXA 矢野智昭)

技術革新が非常に早く行われる時代で、アクチュエータも例外ではないことを球面モータ開発の話題を交えて示し、今後は高性能化と同時にバーチャル空間に接続するネットワーク化が重要なキーワードになるという考えと、講師が考える未来のアクチュエータの姿を紹介しました。

インフォモーション工学と触覚への応用

(名古屋大学 大岡昌博氏)

前半は、IoTやサイバーフィジカルシステムなどと異なり、インフォモーション工学は「アクチュエータをセンサと同等に扱うネットワークである」ことを示し、生体に倣いながら複雑系工学を活用する方策について講演されました。後半は、インフォモーション工学の適用例として触覚および運動錯覚を、ご自身の研究である「確率共鳴」現象を交えて紹介していただきました。

学習とインフォモーション

(理化学研究所 下田真吾氏)

講師が提案する生物の制御および学習(tacit learning)を規範とするボトムアップとトップダウンを融合する制御システムを示し、能動刺激による運動麻痺の回復プログラムおよびロボットの歩容生成手法について、リハビリも学習も非常に早く行われる結果を紹介していただきました。

おわりに

各講演は1時間ずつ行われ、インフォーモーション学の概要をおはなしできた。
この産業応用フォーラムが、以下の雑誌の特集号発刊につながった。

トライボロジスト63巻9号「IoT時代におけるインフォモーション」(2018年)

トライボロジスト63巻9号(2018年)

日本AEM学会誌27巻4号「IoT時代を拓くインフォモーション学」(2019年)
インフォモーション学と感情制御 大岡 昌博, 小村 啓
インフォモーション学におけるアクチュエータ 矢野 智昭
触譜を用いた感性のIoT化と感性インフォモーションへの応用 鈴木 泰博
細胞培養工学におけるインフォモーションの意義 竹村 研治郎, 倉科 佑太
静電気力の活用による運動と映像情報提示の一体化 山本 晃生
人に運動主体感を持たせるロボットによる運動補助 下田 真吾, 岡島 正太郎



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