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日本経済新聞特集 地域連携フューチャーデザインの動き(2023年2月5日)+大阪府吹田市

はじめに

日本機械学会技術ロードマップ委員会では2050年の未来社会を予測する手法を模索していて、「フューチャーデザイン」は、未来を予測する有力な手法の一つだ。

日本経済新聞に「地域の活性化にフューチャーデザインを活用する動きが広がっている」という3回にわたる特集が組まれたので、概要をnote
します。

なお、日本経済新聞の記事は、「地域再生」の観点から深く掘り下げられていますが、本noteでは、フューチャーデザインの取り組みのみに焦点を当てています

日本経済新聞「フューチャーデザイン特集」

地球温暖化、天然資源の枯渇、過剰な社会保障による債務返済の先送り――。こうした課題に共通するのが、現在世代が将来世代から利益を奪う構図だ。「若者VS高齢者」といった世代間対立に議論が傾きがちな中で、「未来人」の視点で物事を考える「フューチャーデザイン(FD)」が各地で広がり始めた。

社会をデザイン、生かせ未来人の声 まだ見ぬ世代も輝くために
シルバー民主主義を超えて 「今は2073年、町の姿想像を」

全文(日本経済新聞電子版読者限定記事)

宮崎県木城町

「今日は2073年1月31日です。町の姿を想像してみてください」

人口5000人弱の同町は今年、町制施行50年を迎える。
50年後のビジョンなどを話し合うにあたって、FDを採り入れる。

73年までに起きる出来事は、全て過去形で話す

「人口は1000人まで減るが、中心部のタワマンに機能が集まりコンパクトな町になっている」
「空をタクシーが飛ぶようになっている」

「将来世代のことを考えて行動を取る意識が生まれた」
「予算や実現可能性にとらわれずアイデアが出る。想定外の結論に至ることも多いが、それがまた面白い」

岩手県矢巾町

19年に「未来戦略室」を新設し、FDの手法を全庁的に広げた。
14年から西條氏らと連携し、FDの手法をワークショップで採用。
「現在世代」と、黄色の法被を身につけた「仮想将来世代」に分かれて住民が議論を重ねた。

京都府宇治市

高度経済成長期に整備され今では過剰となった集会所や学校の活用方法について市民団体らと研究を重ねる。

長野県松本市

信州大学と連携して新庁舎建て替え

京都市

脱炭素策の議論を深める。

大阪府吹田市(矢野追記)

財務省が開いた財政審議会

社会保障費の抑制などを議論する「歳出改革部会」でFDが紹介され、委員からは「非常に有効だ」との評価を得た。

英国・ウェールズ

2015年に「未来世代法」が整備され、公的機関の意思決定の際には将来世代の利益を考慮に入れることがルール化された。
24年には国際連合が「未来サミット」を開く予定もある。同様の考え方は世界に広がる。

フューチャーデザイン提唱者の西條氏

「『たとえ今の自分の不利益につながっても、将来世代が少しベターになる選択を選ぶのがうれしい』。人々の善意を喚起する仕組みづくりが各地で動き出している」と指摘する。その先に社会の持続可能性が広がる。

おわりに

私は「SFプロトタイピング」手法での未来予測を進めたいのだが、なかなか「絵空事では成果物がない」などの批判をはねのけて突き進むのは難しい。
「フューチャーデザイン」は、SFプロトタイピングより敷居が低く、取り上げる自治体も増えてきているので、引き続き動向を注視していきたい

SFプロトタイピングについては、こちらのマガジンをご覧ください


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