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数ミリの違いで失われる使い勝手

一昨年の年末にiPhone13に変えてから、スマホで文章を書くのが少し億劫になった。

理由は分かっている。微妙に端末が大きくなって、片手での文字入力がしんどくなったからだ。

前に利用していたiPhoneはXsで、幅は70.9 mm。対して、iPhone13の幅は71.5 mm。僅か1.4 mmの違いで、タイプミスやタップミスが異常に増えた。多分、自分の片手入力ができるギリギリのサイズを超えてしまったのだろう。

最近PopSocketsを久々に使い始めて少し改善したが、それでもなんかちょっと違う。

厳密にはケースの厚みも関係しているため、まだ改善の余地はあるかもしれないが、こんな僅かな幅の違いが操作性の違いを生み、その結果自分のワークスタイルやライフスタイルにまで影響を与えることに唐突に気づいてちょっと驚いた。

が、よく考えてみると、むしろそれが普通で、デジタルデバイスの限界なのかもしれない。

過去にも「あーいまの環境完璧だわ」って思った時期があった。憧れていたBlackBerryを初めて利用した頃、そして、買ってから一年間くらいだろうか。もっと短いかもしれない。利用端末はBlackBerry Bold(初代)。

BlackBerry関連のソフトウェアがタッチパネルをあまり意識せず、ハードウェアキーボードのみでの利用に特化していた最後くらいの端末で、とにかく洗練されていた。ブラインドタイプが可能なキーボード、気の利いたショートカット、各アプリのバランスなど、あまり言うことがなかった。

ただ、いつの時代も同じだが、ソフトウェアのアップデートを繰り返す中で徐々に重くなり、ハードもガタついてきて使い勝手が悪くなった。

後継機のBlackBerry Bold 9900も購入した。悪くはなかったが、iPhoneに市場を塗り替えられている真っ最中だったためか、ソフトウェアはタッチパネル志向にシフトしつつあったり、Androidとの互換性を意識し始めていた時期だったと思う。BlackBerry Boldで気になっていた点も大体改善されていて、端末としては好きだったのだが、あれだけ洗練されていたキーボードでの操作感は失われつつあることを感じてしまった。

その後、次の買い替えのタイミングで自分はiPhoneに機種変更することになる。

もっと古くからBlackBerryを利用できていれば、快適なBlackBerryライフをもう少し長く堪能できたかもしれないが、ちょっとタイミングが悪かったようで、実質1年くらいしか楽しめなかった。

しかし、そう考えると、iPhoneでnoteを更新しまくっていたのが2018年ごろ。下記のnoteを見るとiPhone 7を使っていたようなので、iPhone 7、iPhone Xsを利用した5、6年はまあまあ快適に文章を書けていたことになる。まあ、そんなに悪くないか。

iPhone 13に変えてから1年、何となく感じていた使いにくさに蓋をして利用してきたが、これを機にしっかりと使い勝手を見直そう。とりあえず薄いケースに変えるところから始めてみようかな。

自分にとっての一年のように、「自分にとっての最高の環境」を感じたことがある人は、結構いるのではないかと思う。

当時のBlackBerryは素晴らしかったが、ハードウェアの素晴らしさだけでなく、BlackBerryがスマホ市場を制覇していたからこそ生まれた使い勝手だったとも思う。今、似たような端末が生まれても、それに最適化されたアプリがそろわなかったりもするので、ポメラのような用途に特化した端末で実現するしかないかもしれない。

趣味的に古き良き使い勝手を目指すのも好きだが、日常的に仕事で使う環境は、最も普及した環境で良くしていくしかない。試行錯誤を繰り返すしかないのだろうな。

まだ見ぬ奇跡の手ざわりを求めて。

。。。しかし、こういうのは手帳とか筆記用具とか、アナログの方が「自分の最高」を作りやすそうだな。毎年同じ手帳を使い、お気に入りの筆記具を使い続ける。自分の性格では難しいが、それを貫ける人はちょっと羨ましい。

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