お遊び②
#シロクマ文芸部
またまた参加をさせて頂きます。
素敵な企画をありがとうございます。
月曜日。
毎日毎日、手紙がどっさりと届く。なぜなら、日曜は郵便屋さんがお休みだから。
まだかな?まだかな?
心待ちにしている月曜日でもある。
私がなぜ心待ちにしているのかというと、待っている手紙がいつも月曜日に届くからである。
火曜日でもない、水曜日でもない。いつも月曜日の午前中に届く。一週間を頑張ろうと思わせてくれる大事な便り。
社会人である私は、毎週月曜日は固定でお休みにさせてもらってる。この便りの為に。でも、その代わり皆が嫌がる日曜日はバリバリに働くのだ。
今日の天気は雨。
雨でも晴でも良い。私は、どちらもキラキラとした日に思えるのだから。
聴こえてくるのは雨音と、人の歩く音、その他にバイクの音。郵便屋さんがやってきた。
「お疲れ様です、いつもお便りをありがとうございます。」
「おはようございます。いつも便りを楽しんでくれて、こちらとしても嬉しいよ。」
「ふふ、これが無いと一週間やってられませんよ。」
「野暮なことは聞かないけど、中身は何なんだい?いつも茶封筒で、名前の記載もないけど。いかがわしいことじゃないだろうね?」
「そんなことないですよ!健全なもの。むしろ癒しですよ。」
仲良しな郵便さんだが、さすがに不信がっている様子。無理もない。他の郵便に比べて、殺風景で必要以上なことは書かれていないのだ。
書かれているのは、私の住所と名前。あとはどこで郵便を出したのか?という情報だけなのだ。
「中身見てみますか?」
「あれ、良いのかい?」
「ええ。見せても特に何という訳ではありませんし。」
「…おや、これは、なんと可愛らしい。」
「ミケ、ミケ。」
私は郵便屋さんに手紙を受け取り、家に入ってから、ゆっくりと便りを眺める。眺めていると、足元には猫がすり寄ってきた。匂いでわかるのだろうか?
「浮気者は元気でいるみたいだよ。」
「にゃー。」
「予備がたくさんあるという割には、すぐに予備はなくなったみたい。」
「にゃぁん。」
「お前のようにね。」
月曜日は、あの子がいなくなった日。
でも、月曜日はあの子に会える日。
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