電マを魔改造して競い合う番組を見ながら失われた4Pを夢想す
5/30。本日は地元の花火大会の日。彼女と行けると良かったのだけれど、はマネージャーの来日対応のため、計画前に頓挫。1人でいくほど楽しみでもないので、ローソンで見つけたたこ焼きとMonster Energy片手に早々に帰宅。山と山に囲まれた電波の届きにくい蛇腹地帯に住んでいたので、自宅から花火は拝めない。まぁちょっと登れば見ることはできるけど、シャワー浴びたし外出るのもめんどくさいということで、久方ぶりにリモコンの地デジボタンをクリックし、Xで見つけた面白そうな地上波番組を見た。
その名も「魔改造の夜」。番組の内容は電マを改造して、振動のみで前進させチーム間でタイムアタックを競うというもの。チャンネルはまさかのNHK。毎回のユニークな道具を改造して競技に挑む番組なのだが、今日のお題はお題なだけに視聴前からかなり期待していた。
男の子なら誰もが見たことがある、いや成人であれば誰もが想像できる形状である、あの電マ。その振動のみで競争するという狂ったテーマに、大学生チームや技術開発メーカーが真剣に挑む。いずれのチームも「振動を前進に変える」ことへのアプローチがことなって面白かった。道具を観察し、Tinkeringしながら、アプローチを考える大学生チーム。一方で、電マの振動を前進する力に変換することに対して、変数を定義し計算し理論位を実現しようとする企業チーム。タイムアタックが目的、あくまでも競技である。しかし、ワクワクを大事にするか、スピードを大切にするかで何番目の試作機を使うかを決めるシーンは、テレビの手前の自分の日常に重なった。
仕事にせよ、生活にせよ、自らの情熱に従って行動するか、誰かの意思に従い利得に従うかは常に突きつけらる。労使関係に身を置くと自らの熱ではない誰か、時に上司、時に顧客、時に仲間のために自らの意思と情熱を曲げて行動を迫られるシーンが多々ある。ワクワク、情熱、面白さ、興味関心。人間を人間たらしめる欲動に赴くままに行動することはQOLに直結する。一方で、自分の感情ではない「何か」のために滅私奉公することによって得られるものもある。
それが電マを改造した競技に挑むという一見馬鹿らしく見えるようなテーマであっても、だ。
勝負の結末は企業チーム間での一騎打ちとなった。数秒差という僅差に勝利した企業チームの熱量は凄まじいものだった。勝負への緊迫感、試行錯誤の過程、いずれも編集の巧みさもあり、飽きることなく楽しめた。いい時間を過ごせた。さぁ洗い物をして本でも読むかと気持ちを切り替えた番組終了数分前、勝利チームのリーダーインタビューでとあるスピーチによって、僕の注意は再び番組に引き戻されることになる。
…. あぁ、確かに人生は勝ち負けに満ち溢れている。得てして負けの方が多い。自分のキャリアなんて七転び八起き、ならぬ七転八倒だ。ちょっとした勝利に酔いしれて自己肯定感が満たされたと思った翌日にはプライドがズタズタになるような失敗が訪れることもあるよな….番組のエンドロールとともに、自分のこれまでの人生のあれこれが走馬灯のように脳内に流れ始める。あれ、電マ改造した番組を見てたはずなのに、俺、今何考えてんだ?と疑問に思ったのもつかの間に聞こえる最後の言葉。
気がついたら目から汗が流れていた。その言葉の何に感化されたのかは自分でもわからないけれど「お前今熱くなれてる?」と秤先輩(※呪術廻戦のキャラクター)に問われた気がした。脈絡もない問いから連鎖的に生まれた次の問いは今の生き方に4Pはあるか?というものだった。電マといキーワードに触発されて、エロ用語が浮かんだわけでは決してないとは言い切れないけれど、この時浮かんだ4Pはシーモアパパートの4Pだった。
違う、そうじゃない。お前じゃない。よく見たら誤字ってる。さすがキング・オブ・誤字ラ(自称)
そうそう。君君、パパはパパでもパパートの方。彼は現代的にはプログラミング教育という分野を思想的、実践的に切り開いた第一人者であるため、その分野におけるパパ(父)という意味においてGoogle検索結果はあながち間違いではない(絶対違う)
4Pは彼が提唱したクリエイティブな学びのプロセスにある4つの要素のこと。それはProjects(プロジェクト)、Passion(情熱)、Peers(仲間)、Play(遊び)というもの。
創造的に学ぶための要素。そんな4Pという概念をして自らにこう問うた。「今のお前に自らの創造性を切り開くような学びはあるか」と。時にそれは仕事であるかもしれないし、仕事が趣味のような人間なので、日々学びはある。しかしそれ以外、もっと個人的で、情熱的で、ワクワクするようなものに自らの意識が向かっている時間があるか?、創造的な学びは仕事以外にあるかと言われるとNOだった。
最近のプライベートは惰性で構成されている。仕事の疲労(主に脳みその)はあるかもしれないが、映画、ゲーム、読書、筋トレとこれまでの人生で培った習慣的な余暇の使い方に興じているだけで、ワクワクするような何かに時間を使えてなくね?と思ってしまった。
楽器、作曲、トライアスロン、小説執筆。ワクワクしてやりたいことなんてあるじゃないか。まずはそこに向かうために時間を使おうよ。個人的なところから始めるかもしれない。4Pを伴うような、誰かを巻き込んでいく何かに昇華していければ、もっとその過程も楽しめるし、人生謳歌できんじゃね?学生時代の活動は4Pあったじゃん?そんなことを番組終了する頃には考えていた。
この間数分程度。さらにその数分後に、この熱はきっと冷めるだろうと思ったので、久方ぶりに徒然なるままに文章にして残そうと思った。
経営というジョブを降り、尊敬できる仕事仲間とも出会い、居心地の良い住環境や友達に囲まれ、そして人生を楽しめるようなパートナーと出会った。それはきっと自らのワクワクに従って、次へ進み出す準備だったのかもしれない。
ありがとう電マ。ありがとう名もしらぬ企業人。大切なことを思い出させてくれた。
ワクワクするようなものを探して、まずは自分で試して、4Pがあるようなものに昇華させていくよ。
けど、今日はもう眠いので寝ます。明日から頑張るよ。
おやすみなさい。