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すとぷり1stシングル収録曲レビュー 週間CDセールスに思うこと

2024年6月5日、すとぷり1stシングル
「はじまりの物語」が発売されました。
6月12日公開のbillboard JAPAN週間シングル・
セールス・チャート”Top Singles Sales”では
初週502,921枚を売り上げて首位を獲得。
このシングルは、7月に公開される「劇場版
すとぷり はじまりの物語」の公開を記念して
発売されました。

初回限定盤はメンバーのソロバージョンの曲が
収録された6形態、そして、通常盤とファン
クラブ(すとふぁみ)盤、合計8形態で発売。
さらに発売店舗(タワーレコード、楽天ブック
ス、HMV、アニメイト)によってはシリアル
コードが配布され、全国10都道府県で開催
されるメンバーとの発売記念握手会に応募する
ことができるようになっています。

今年の4月以降でシングル初週50万枚越えの
主なアーティストを調べてみると、JO1、Aぇ!
group、日向坂46、SixTONES、乃木坂46と
大手のアイドルグループがずらり。
複数形態で、特典付きとはいうものの、しっかり
とリスナーのパワーの大きさがこのセールスに
表れたのではないでしょうか。

今回はそのシングルに収録された曲のレビューや
セールスに関して私の思いを綴っていきます。

収録曲レビュー

誓いの花束を~With You~

通常盤、初回限定盤、すとふぁみ盤、すべての
形態に収録されているリード曲。「劇場版すと
ぷり はじまりの物語」のエンディング主題歌です。


すとぷりとのタッグで数々の名曲を世に送り出し
てきたHoneyWorksの作詞・作曲・編曲。
映画のエンディングにふさわしく、壮大で明るく
て親しみやすいメロディが耳に心地よいです。
映画はすとぷりのはじまりの物語を描いている
そうですが、映画の中では6人が同じ学校に
通っていて基本的にはフィクションだと思い
ます。でもこの曲を聴く限り、実際のすとぷりの
なりたちやメンバーのキャラクターなどに寄せた
ものになっているような気がします。

声に出せなくて
閉じ込めて自分を殺した
そんな時「一緒に夢を叶えよう」
ここが希望(ひかり)になった

わがままだったし
一人でもいいと思ってた
そんな時「一緒に夢を叶えよう」
ここが居場所になった

という冒頭の歌詞は、すとぷりに入る前の
メンバーが、思い悩んだり壁にぶつかって夢を
諦めようとしていたことを思い出させますし、

飽きられちゃっても大丈夫
いつでも帰ってこれるように
僕はここにいるし!
君を抱きしめたいし

という歌詞には、月日を重ねて離れていくリスナ
ーのことや活動をお休みしていたメンバーに
対して彼らが話していたことが頭をよぎります。

この足跡はどんな嵐も吹き飛ばせやしない

優しいけれど力強い、まさにすとぷりだなあと
思います。
映画のエンディングでこの曲の「With You」と
いうユニゾンが流れてくるのを想像しただけで
鳥肌が止まらなくなりますね。

MVはそれぞれメンバーカラーの花束を持った
正装のメンバーたちが登場します。
私は歌の終盤の部分での
「会いたい気持ちは やる気に」でガッツのある
さとみくん、ころんくん、
「触れたい思いは歌に」で歌の活動をがんばる
莉犬くん、るぅとくん、
「夢を見続けられるのは」で新しい扉を開ける
ななもり。さん、ジェルくん
と、それぞれのコンビらしさを感じる歌い分けに
ぐっと来ていたのですが、映像に乗るとさらに
そのイメージが深く伝わって、さらにそのあとの
6人でのユニゾンで「君がいるから」の力強くて
真っすぐで澄んだ歌声に、心を持ってかれ
ました。

映画のビジュアルはこのMVには登場しません
が、この歌と6人の姿で充分にスペシャル感が
満載。リスナーの間ではメンバーが持つ花の意味
や立ち位置の並び順などの意味が盛んに考察され
ていて、見ごたえある映像を制作したスタッフ
さんの気合も感じられました。

虹のはじまり

通常盤、すとふぁみ盤に収録。この曲もHoney
Worksの作詞・作曲・編曲で、映画の
挿入歌です。彼らの日常を歌うような内容で、
映画の中でもきっと、ちょっと躓いたり立ち
止まったりしながらも生き生きとスクールライフ
を送るような場面に似合いそうな楽曲です。


私はこの曲の中では

手を繋いで超えよう
飛べるよ虹の向こう
失敗だってIt’s Allright.
どこまでも響け僕の歌

というところがたまらなく好きです。
若さだなあ、エネルギーだなあって。

あとは

口下手な分だけ
ひたすら汗をかいた
誰かの支えになればいいって
諦めていた

というところや

できること やりたいこと
ノートに書き殴った
迷った分だけ広がった
僕の未来図

というところは、多くの人がそんな思いで過ご
した日々を心の中に持っているんじゃないかと
思えて、HoneyWorksの曲は場面や感情の切り
取り方が本当にうまいなあと改めて感心しま
した。
メンバーたちの歌い方は、ネガティブや
ポジティブに揺れ動く気持ちをすごくうまく
表現していてさすがです。

雨天決行

初回限定盤、すとふぁみ盤に収録。こちらは
映画のオープニング主題歌です。

まさに物語が始まっていくことを感じさせる、
はやる気持ちを抑えきれない様子を歌って
います。雨が降っているということは神様は一度
休んで足を止めてと言っているようなもの
だけど、そんなんじゃ抑えきれない気持ちがある
ということなんですよね。
メンバーたちの歌い方も弾むようなリズムに
乗って明るく響きます。あまりテクニックを
駆使せずストレートな歌い方なのも、物語序盤の
純粋で無垢な雰囲気を創り出しているように感じ
ました。

この曲はるぅとくんの作詞作曲。まさにすとぷり
として神様でさえ予想できないような物語を
紡いできたから描ける世界観。自分の思いに
真っすぐにこれまでの道を選んできたから、
時には「雨天決行」しちゃうのも素敵な未来に
つながるものだよという表現は、るぅとくんの
これまでの人生経験に基づくものなのでしょう。

予報外れの 未来作ろう

映画の中のすとぷりもきっと誰も予想もつかない
未来に向かっていくことを暗示している曲の内容に
加え、ストリングスサウンドの中に強く刻まれた
ビートが高鳴る胸の鼓動のようで、早く映画を
見たい!という気持ちになりました。

生まれたその時から

初回限定盤の各メンバーバージョンに収録されて
います。全員が同じ歌をソロで歌っています。
こちらも映画の挿入歌で、るぅとくんの作詞作曲
によるものです。
映画の本編では6人バージョンで歌っているそう
なのですが、あえてのソロバージョン収録には、
映画の内容にも絡めて何かしらの意味が込められ
ているそうです。
私はメンバーそれぞれのキーの高さや表現方法が
合わず、苦戦する、みたいな話があるのかなあと
予想しています。
それくらい、6人それぞれの歌を聴くと同じ歌を
歌っているように思えないほどカラーが違って
います。
クロスフェード(試聴)動画の後半にこの曲の
サビ部分が6人分連続で流れているのですが、
この一部分だけでもそれがわかっていただけるの
ではないでしょうか。

莉犬くん

「生まれたその時から」というか今まさに
生まれたその時に歌い出したかのようなまっすぐ
で純な歌い方。笑顔の莉犬くんが空を仰ぎながら
自由にのびのびと歌っている情景が目に浮かび
ました。

ころんくん


力強い高音とやわらかな低音のバランスが良く
て、ふわふわとしていながらも真っすぐでぶれ
ない意思が感じられて、なかなかキリっと
かっこいい仕上がりになっています。

るぅとくん


この曲を作った本人ということもあり、メロディ
とリズムのとり方にまったく無理が無くて流れる
ように歌い上げています。他のメンバーが少々
語尾を持て余し気味に歌う中「もう」や「さぁ」
という余韻が完璧で心地よいです。

さとみくん


冒頭のスロー部分の歌い方が優しくていつも
目をつぶって聴いてしまいます。サビに向かって
の「助け合う為にさ 欠けてんだ」のところは
さとみくんらしい力強い抑揚が心を揺さぶり
ます。

ジェルくん

実は一番6人の中で第一印象で心奪われたのが
ジェルくんバージョンでした。全体的に言葉が
はっきりと聞こえやすくて、歌っている表情まで
見えてくるようで、この歌のメッセージがすごく
伝わりました。

ななもり。さん


一段と低いキーで穏やかに優しく歌い上げて
いて、見守られているような、包まれているよう
な安心感があります。るぅとくん以外のメンバー
では一番ナチュラルに上手に歌いこなせている
印象を持ちました。

ワンコーラスのみで2分弱のサイズの曲なの
ですが、歌う人によってこんなに違って聞こえる
ものかと改めてメンバーの豊かな個性を感じ、
さらにエンディングの6人の声が合わさった
コーラスを聴くと、すとぷりというグループと
しての強さ、美しさ、を見せつけられます。

「1stシングルハーフミリオン達成!」に思うこと

フラゲ日は記念日と重なりお祭りのような1日に

これまでCDといえばアルバムのみを発売して
きたすとぷり。結成8周年にして初のシングル
発売となりました。
発売日の前日、いわゆるフラゲ日は結成8周年と
なる6月4日ということもあり、発売に合わせて
メンバーたちがCDショップに足を運んで
サインを書いたり、それをリスナーが写真を
撮ってSNSに投稿したりとちょっとしたお祭りの
ようでした。

そして、気になるセールスは1週間で50万枚
越え。CDが売れないという時代にあってこれ
だけの売り上げをたたき出したのはすごいという
ほかないと思います。
本当におめでとうございます。

売り上げ「枚数」は多かった

一方で、これだけの売り上げとなった要因の
ひとつには、握手会のシリアル番号が特典に
あったことが挙げられると思います。
実際、シングルの発売とその記念の握手会に
ついての告知があってから、リスナーの関心事は
握手会が多くを占めていったことがSNS等を
見ていてもはっきりわかりました。

オリコンのCDセールスの集計を見ると、発売日
からの1週間では約22万枚のセールスと発表され
ています。これはオリコンが特典付きのCDに
ついてはまとめ買いされた枚数を集計対象から
除外するという、独自の計算方法を採用している
からと言われています。

2023年前半のアリーナツアー以降、ファン
クラブ限定のファンミーティング以外では生の
すとぷりに会える機会がなく、ライブや対面
イベントの開催を心待ちにしていたリスナーの
思いがここで爆発したかのような状況。
その思いを表すように、発売後にはたくさんの
CDを積み上げた写真や、何枚「積む」のかと
いう話題がSNSでやりとりされていました。

しかも、これまで発売した特典付きのCDは
アルバムでしたが今回はシングル。単価が低く
なったことで同じ予算でも多くの口数を応募する
ことが可能です。また、アルバムには手が出な
かったという人もシングルなら買える、という
新たな層もいるでしょうし、発売直後に40万枚
越えのセールスと聞いてさらに当選率を上げよう
と買い増しした人もいるでしょう。

私も全形態のCDを買いました。特典のことが
なければそこまで買ったかというと・・正直
買わなかったかもしれないです。
でも、私も特典につられて聴くことのないCDを
大量に買うことは気が引けたので、また、沢山
応募したからといって必ず握手会に当選できる
とも限らないので、自分の納得できる範囲(1回
ライブや舞台を見に行くのと同じくらいで、
外れても後悔しない金額)で買いました。

誰もが50万枚のシングルを売れるわけではない

ただ、特典があればどのアーティストでも50万枚
売れるかと言ったらそんなことはなく、すとぷり
には熱量の高いリスナーがしかもたくさんいる
のだということを知らしめる結果にはなりました。
そこは素直に素晴らしい結果であったとリスナー
も胸を張って喜びあっていいと思います!

ただ今後もっとすとぷりが大きく成長していく
にはリスナー以外の人の熱量をどれだけ巻き込め
るか、ということによると思いますので、今回
突出していたCDセールスだけでなく、
ストリーミングやダウンロードなどでも
ランキングの上位になってほしいです。
楽曲そのものやすとぷりの歌は、広く多くの人の
心を動かせるクオリティであることは確かなの
ですから。

今回の結果がさらにすとぷりのことを知って
もらう機会になるかもしれません。そして、この
シングルの収録曲のすばらしさを知ってもらえ
たり、そこを入り口に動画や放送の楽しさを知る
きっかけになることで、今後公開される映画の
成功にも弾みがついたのではないでしょうか。

今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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