想像の解像度について

あなたは友人の名前を思い浮かべて、それぞれ友人達の顔をどれだけの解像度で思い出せるか?
ほくろの位置、シミの位置、眉毛、髪型、一体どこまで?

試しにやってみると、身近な友人ですらはっきりと顔の細部までは思いだすに至らない。
自分の記憶力が単純にわるいのかと、不安な気持ちになる。

しかし、他人にそれを確認する機会は少ない。
一層不安はグルグルと頭のなかを巡る。

想像の解像度を上げる事はできるだろうか?
私の答えはイエスである。

あなたは古代ギリシア時代の詩人シモニデスの逸話を
ご存知だろうか?

シモニデスはある日神殿に呼び出され、王に詩を唄い上げるように命ぜられる。
シモニデスははじめに、神を祝福する詩を唄い、次に王の詩を唄った。
傲慢にも王は自身の唄が唄われなかった事に激昂し、シモニデスを神殿から追い出す。
この一連の騒動を見ていた神は、傲慢な神に罰を与えるべく、神殿に雷を落とす。
王や宮殿内の家来は真っ黒に焦げてしまい、全く見分けがつかなくなってしまい、そこで実況見聞が行われ、シモニデスが召喚される。
「私は席に座っていた方々を思い出す事ができます。」

シモニデスが使った記憶の方法は「記憶の宮殿」と方法。
記憶の宮殿は場所を鮮明に記憶し、そこに覚えたい対象をおいて、その場所を歩いて行き、その場にある物を思い出す手法。

実際に、この手法を用いて認知症などの症状が和らいだと報告する研究もあったほど。
古代の図書館にある書物は一冊ごと手書きで、印刷技術が無かった為、読者は記憶に留めるひつようがあった。
そこで使われたのがイメージする力を鍛える記憶の宮殿という手法である。

想像の解像度をあげるには、脳の視覚的な部分を刺激し、イメージをする力を鍛えるのが最適であると考え、記憶の宮殿法に注目した。

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