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今月の野鳥(JB2015年6月号より)

ふくろうは、そこに巣を作って卵を産み、卵をかえして、雛を翼の陰に集める。(イザヤ34:15a)

世の中、癒し系ということでフクロウカフェなるものがはやりとか。自然の中でのふくろうを見たことのある人は多くないかもしれません。深山幽谷に住んでいるというイメージなのでしょうか。表紙のふくろうはアオバズクの雛。春になると南から日本に渡って繁殖する鳥ですが、なんと住宅地の真ん中にある神社の境内のタブの木で毎年繁殖をしています。7月末には雛は巣立ちをしますが、親は飛べるようになるまで、ひたすら育雛し続けるのです。(撮影2014/7/27平塚にて)

動物を飼って癒しを求めたいと人々が多くいる中でも、昨今の住環境から無理という方も多く、そのような方たちのニーズを拾い上げるように増えている動物カフェ。2004年に猫カフェが出来たのが嚆矢なのようですが、その後に出てきたのが、ちょっと珍しい動物のカフェ。フクロウカフェもそんなものの一つかもしれません。フクロウは猛禽類ですから、なかなか飼うのはハードルが高い。
アオバズクは夏鳥で、春になると南方から渡ってくる。その時は集団でやってきて、目的地に近づくと分散するのだそうです。フクロウというと大きな鳥のようなイメージがあるのですが、アオバズクは会ってみるとおっと思うくらい小さい。日本に来るフクロウで最小なのはコノハズクですが、このサイズ感のギャップを最初に感じます。
平塚の住宅地の神社にあるタブノキに毎年やってくるアオバズク。2012年から毎年観察をしていますが、2017年を除いては今年(2022年)まで繁殖を成功させています。掲載に使用した写真は2014年の時の巣立ち雛(3羽)を撮ったものです。灰色の産毛は、成長に伴って徐々に取れて若鳥なっていきます。そうなると、またまた南方に帰っていくのです。


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