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今月の野鳥(JB2016年11月号)

「そこには、あらゆる獣が/それぞれ群れをなして伏す。ふくろうと山あらしは柱頭に宿り/その声は窓にこだまする。杉の板ははがされ、荒廃は敷居に及ぶ。」(ゼファニア書2:14)

普段、私たちは日本語訳の聖書を読んでいますから、ふくろうとあれば、すぐ梟を思い浮かべます。ところが、古代の動物が正確に何であったのかを知ろうとすれば知ろうとするほど、困難にぶち当たります。本来フクロウの生息域は森であり、ニネヴェのような砂漠ではありません。そして、気になるのは柱頭にふくろうが宿るという表現です。ギリシャ文明においての知恵の象徴を柱頭に彫るというのは普通にあったことですから、ヘレニズムの影響を見てということなのかもしれません。(撮影2015/11/27北海道鶴居村にて)

最近知ったことだが、フクロウの仲間にサバクコノハズクという、その名もずばり砂漠に暮らすフクロウがいるらしい。分布が中近東のようなので、ゼファニア書のフクロウはこの種かもしれない。
ちなみに、写真のフクロウは、種名フクロウの亜種エゾフクロウである。フクロウの亜種は北に分布するものほど白く、また体が大きい。これはベルクマンの法則といい、「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」とまとめられる。


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