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今月の野鳥(JB2016年8月号)

「獣や、烏のたぐいが求めて鳴けば/食べ物をお与えになる。」(詩編147:9)

夏の暑い最中ですので、涼しめの鳥の画像を選びました。烏の仲間のオナガという鳥です。巣立ちしたばかりの若鳥が暑さの中水浴びをした所。このオナガは不思議なことに、留鳥でありながら西日本では全くと言って見られなくなった鳥で、よく関西の野鳥愛好家が関東圏で見たい鳥に取り上げます。エリヤが烏によって養われた聖書の記事を引くまでもなく烏の知能の高さは有名ですが、最近の研究ではチンパンジーと同等の知能を持つそうです。しばらくゴミを巡る人間との知恵比べは止みそうもありません。(撮影2015/8/11東京都江東区葛西臨海公園にて)

オナガは不思議な分布をする鳥である。世界で見ても、片や日本を含む極東地域とイベリア半島という隔絶された地域に分布する。日本国内を見ても、現在西日本には全く生息していない。ただ、1970年代には西日本にも生息していたそうで、生息しなかった理由は不明とのこと。九州では、カササギとの生存競争に敗れたという説があるそう。なので、関西に住むバーダーは関東に来るとオナガを見たがる。ただ、関東においても満遍なく生息しているわけではないようで、私がMFにしている長浜公園でも、1シーズンに数回見られるのみである。なぜこのようになったのか、謎の多い鳥なのである。


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