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今月の野鳥(JB2016年9月号)

「鷹が翼を広げて南へ飛ぶのはお前が分別を与えたからなのか。」(ヨブ39:26)

1年半の連載記録を見ていて、まだワシタカ類を一度も掲載していないことに気づきました。聖句にもあるように、古くからイスラエルでも鷹は渡るものという認識があったようです。今月の写真はオオタカ。タカとワシの違いは生物学的にはありません。大きいものをワシ、より小さいものをタカと言いならわしているようです。本来オオタカは鷹狩りに用いられた鷹ですから、もっと精悍な顔付きをしていますが、写真のタカは今年生まれの若鷹であったためか、羽色も茶色味を帯びオオタカ(蒼鷹)というには、何とはなくやさしい顔付きです。(撮影2015/9/20神奈川県金沢区長浜公園にて)

オオタカはハイタカ族のタカだが、ハイタカの区別がなかなか難しく間違うケースも多い。以前はオオタカはその絶滅が危惧されていたが、現在はその懸念は一旦収まった形のようだ。ただし、タカ類は食物連鎖の頂点に君臨する鳥であり、とりわけ環境の影響を受けやすいともいえる。
タカを示す言葉として、よく用いられる猛禽類(これにはフクロウ等も含まれる)は英語ではBirds of preyといい、preyという言葉は獲物という意味である。この写真を撮ったころは、毎年秋になるとこのようなオオタカの若鳥が飛んでくるのであった。すでに越冬のために来ているカモたちを狙うのだけど、若鳥は狩りには習熟していないことが多くなかなか成功はしない。成功率が高いことになれば、カモの数を影響を与えてしまうからかもしれないが。


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