絵描きの血

淺井裕介さんは、画材やカンバスの枠に縛られずに、スケールの大きな作品を制作する著名なアーティストだ。

失礼を恐れずに言えば、淺井さんは純朴な少年のように絵を描く。
描ける場所と画材になるものがあれば、どこにでも描けるだけ描く。私はそんなイメージを持っている。
淺井さんの描くことに対する実直さと無限大のエネルギーが周囲の心を惹きつける。
描くエネルギーは溢れ続け、やがて視界に収まらない程の巨大な作品を出現させる。

私は、淺井さんの純粋な描き方に憧れていて、どうしても淺井さんの作品が欲しくて、一番小さな作品を、ギャラリーで購入した。

この絵は、淺井さんと会話した時の記憶や、私がボランティアスタッフとして作品制作に関わらせていただいた時の思い出など、個人的な記憶と結び付いている。
壁や地面に熱狂をぶつけていく、淺井さんの描く姿勢というか、絵描きの血のような熱いものが垣間見られる作品である。

＊作家紹介＊

淺井　裕介

ANOMALY