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【30分・7人・声劇台本】レストラン「Futuro(フトゥーロ)」【前読み推奨】

男4:女2:不問1
【演じる上で注意点】
この台本では、4人の主人公キャラが3人のキャラクターとそれぞれ場面を変えて、お芝居をしていきます。その為、主人公キャラのセリフが多いです。また、3人のキャラクター(社長、キャバ嬢、会社員)は同時には登場しません。
注釈:以下は、読まないでください。
 () 描写
 [] セリフ読み方
【】各場面

【概要】

幼馴染の3人が久しぶりに集まって、隠れ家的レストラン「フトゥーロ」に訪れる。そこは、相席限定レストランで1テーブル4人まで、3人の席に入れ替わり人が訪れる。

【キャラクター】

ユウト(男):20代。IT系起業後、安定した成功を収めている(ユ)
ダイチ(男):20代。高卒、バイトしていた会社で正規雇用される(ダ)
マリ(女):20代。超一流大学中退後、金遣いの荒い生活を送る(マ)
社長(男):50代。若くして成功し、現在は独身生活を送る(社)
キャバ嬢(女):30代。夜職で、昼夜逆転の生活を送る(嬢)
会社員(男):30代。仕事と私生活の両立に苦しむ(会)
オーナー(不問):レストランのオーナー(オ)

【台本】

オ「こんばんは、こんにちは、おはようございます。本日もレストラン「フトゥーロ」開店のお時間がやってまいりました。当レストランでは、完全予約制ながら、1テーブル4人制として、1予約4名様を上限に承っております。

もし、4名様以下であれば、他のお客様との相席をお願いしております。そのご縁も、当レストランのメインディッシュ。本日は、どのようなお客様がいらっしゃられるのでしょうか。」

(3人は、裏路地をいくつか曲がったレストランの前で待ち合わせていた。)
ユ「やっほー!こっちこっち!」
ダ「お!ごめんごめん、迷ったよ」
ユ「大丈夫だよ。マリは?」
ダ「あれ?さっきまで、後ろにいたはずだけど…」
マ「あ!いたー!もー置いてかないで」
ダ「ごめんごめん、いつの間にか早足になってたよ」
ユ「まぁほら!とりあえず、中入ろうか」
(3人はレストランへと入店した。扉を開けると、カーテンの前にオーナーが立っており、店の奥は見えなかった。)

オ「いらっしゃいませ。ようこそ、レストラン「フトゥーロ」へ。本日のご予約はございますでしょうか?」
ユ「あ!はいはい、3人で19時からの…ユウトです。」
オ「かしこまりました。ユウト様、ダイチ様、マリ様ですね。
…では、こちらへどうぞ」
ユ「…ほら、ダイチ、マリ、行こう」
(オーナーの後ろをついて、お店の奥に入る3人の前には、うす暗い店内に1つだけ4人用のテーブルが置いてあった。)

オ「こちらのお席になります。…本日のメニューは事前に伺っており、イタリアンのコースでございます。それでは。」
ダ「ありがとうございます。…おい、ユウト、俺らの名前伝えたんだね」
マ「そうだよ。びっくりしたよ!」
ユ「あ、うん。言ったのかな?覚えてないや、ここ予約取るの大変だったんだから、文句言うなって」
ダ「まぁいいけどさ…。ところで、マリとユウトは?」
マ「私は…」
ユ「俺は!もう、会社が忙しくてさー!もうあっちこっちで、クライアントとか、起業家同士の繋がり作りまくって、大変よ!」
ダ「おーそっかそっか。すごいじゃん!やっぱ、さすが、K大出ただけはあるよな」
マ「うん。すごいと思う。私は、もうT大中退した後は、バイト転々としたり、最近は新宿で働いてるよ」
ダ「お、そうなの?俺も、最近バイトしてた会社から、正規雇用でもいいよって言われて、新宿の事務所勤務になりそうだよ」
マ「お!そしたら、会うかもね?」
ユ「そしたら、2人でメシでもいけるんじゃない?」
ダ「確かにね。マリは、お昼休憩とか一緒にご飯食べれるじゃん」
マ「いや、私は、お昼休憩とかは…」
ダ「まさかの、ブラック!?」

オ「失礼いたします。」
ダ「あ、はい」
オ「こちら、白ワイン、サン・オブ・アフリカでございます。味わいは、すっきり爽やかで、アルコールの刺激が強いものになります。加えて、柑橘系の味わいの強いものになります。年代は」
マ「あ!あの!説明は嬉しいんですけど、とりあえず注いでもらえますか?私たち、ワインとかわからないし…」
ユ「まぁまぁ、この白ワインは飲みやすいってよく言うじゃん?」
ダ「ユウト、ワインは「飲みやすい」とか適当言ってるだけでしょ」
ユ「な、な、なわけないじゃんか…」
マ「あははは、変わらないよね、私たち!」

オ「次に、前菜をお持ちします。その他に、もう1点、当店は1テーブル4人制で、こちらのテーブルにもう1名様ご案内させていただきます。お連れ致しますので、もう少々お待ちください。それでは。」

(オーナーが去った後、マリとダイチはユウトを見た。)
マ「ん?ん?ん?どういうこと?」
ダ「いや、ちょっとわからないけど、あ…行っちゃったよ」
ユ「そんな目で見るなよ。言ってなかったけど、この店独特で、相席をお店側からお願いされるんだよ。まさか、本当に3人のところに1人連れてくると思ってなくてさ。ごめん!」
ダ「はぁー…別にいいけどさ、先に言っておいてよ」
マ「いや、めんどくさい限りでしかないわ。仕事じゃるまいし」
ダ「仕事?」
ユ「あ、戻ってきた」
(オーナーの後ろを、50代の見た目の男性が歩いていた。)

【社長編】

オ「失礼します。こちらのテーブルになります。本日は、イタリアンのコースで…」
社「あ、いいや。わかってるから、いつも通りにしてくれ」[遮るように]
オ「かしこまりました。それでは。」
社「あ、ごめんなさいね。いつも来てるから…あのオーナー堅苦しいでしょう?」
ユ「あ、僕たちですか?」
社「そうだよ。そりゃ、せっかく一緒に座ったんだから、少し話そうよ」
ダ「そうですよね」
マ「でー…、なんでしたっけ?」
社「あーもう。君たちは、どんな繋がりなの?」
マ「幼馴染で、たまにはご飯食べようってなって、この人が予約してくれて…」
社「へー!よく見つけて、予約取れたね」
ユ「そうなんですよ!知り合いの会長さんの友達?が、ここの常連らしくて、会社経営されてる方らしいんですけど、まだ会ったことなくて」
マ「えっと、なんてお呼びすればいいですか?」
社「なんでもいいよ。まぁ、会社経営してるから、社長で」
ダ「では…社長さんは今日はどうしてここに?」
社「その、まぁ、色々あって1人でご飯を食べたい気分でね」
ユ「その、色々って聞いても大丈夫ですか?」
マ「いや、ちょっと…やめなよ」
ユ「いや、聞いてみないとわからないからさ?」
社「大丈夫だよ。実は結婚してるんだけど、仕事が忙しくてね」
マ「それで奥さんと喧嘩された…とかですか?」
社「いや、喧嘩というより、離婚調停中なんだよね」
ダ「あ、すいません。」
社「別に、謝ることじゃないよ。僕のことだしね」
マ「それで、おうち帰りずらいとかですか?」

(社長は、少しの沈黙の後話し始めた。)
社「それもあるんだけど、実は警察が昨日家に来てね」
ユ「あ!もしかして税金とか、財産分与とかですか?」
社「それも違うんだよね。実は…その…まぁ愛人?っていうか、他に付き合ってた人がいて…」
マ「え…最低。それはないかなぁ…」
社「まぁ…そうなんだよね。うん、ごめん!」
マ「いや、私に謝っても、意味なくない?家帰ればいいのに。で、奥さんどんな人なの?」
社「まぁ妻は、かわいくてすごい守ってあげたい感じのひとではあるんだよ」
ユ「奥さんの事聞いてあげるなよ、ご飯くらいゆっくり食べたいんだよ」
オ「失礼します。こちら、前菜と、ラーメンでございます。」
ダ「ラーメン!?え、社長さんは、ゆっくりご飯だと思ってましたよ」
社「いや、いつもここに来るとラーメンなんだよね、ほら忙しいからさ」
ユ「そうですよね!社長って忙しいですよね!」
ダ「まぁ、それでその愛人さんとはどうするんですか?」
マ「まだ、その話掘るの?」
ダ「いや、ほらここまで聞いたからにはさ…」
社「それがね、実はその愛人が自殺しちゃって…それで離婚調停が長引いてるんだよね…」
マ「えっ…」
ダ「それは…大変…ですね?」
社「うん。妻はどう慰謝料請求すればいいか、それで悩んでるんだけど、僕は元に戻りたいんだよね」
マ「いや、どう考えても、無理だと思いますよ?」
ユ「それは、わからないだろ?ほら、社長さんも、ラーメン伸びるし、僕らも前菜食べちゃおうよ」
社「あ、ごめんよ。」

(4人のお皿が空いたところで、オーナーがテーブルへ寄ってきた。)
オ「失礼します。前菜はいかがでしょうか?」
ユ「あ、本当においしかったです!次は、何が来るんですか?」
オ「続きましては、プリモ・ピアットで、本日は海鮮パスタでございます。」
マ「ね、ダイチ、プリなんとかって?」[囁くように]
ダ「いや…俺に聞かれても…」[囁くように]
社「メインディッシュのことだよ。」
マ「あ、そうなんですね」
社「僕にはお会計をお願い、あとタクシーも一緒に」
オ「承知いたしました。それでは。」
ダ「もう帰っちゃうんですか?」
社「そうだね、さすがに家には帰れないから会社に戻るよ。じゃ、会計するからまたね」
ユ「また、どこかで会えたらよろしくお願いします!」
社「うん…」
(社長は、テーブルから離れ、カーテンの奥へと消えていった。)
マ「なんか、来てはさっさと行っちゃったけど、すごい話だったよね」
ダ「そんな人もいるんだね」

【キャバ嬢】

オ「失礼します。」
ユ「お!メインディッシュですね!」
オ「いえ、こちらの席が空いているので、次の方をご案内させいただきます。それでは。」
ユ「あ、はい…」
マ「まぁ、次は変な人じゃないといいよね。あ、戻ってきた。なんかやばそう…」

(オーナーの後ろには、赤いドレスの上にレザージャケットを羽織った30代女性が歩いていた。)
オ「こちらのテーブルになります。本日は、イタリアンのコースで」
嬢「またイタリアン?今週3回目よ~、今日くらいは和食でゆっくりさせて」[遮るように]
オ「かしこまりました。それでは。」
マ「ここ、和食もあるんですか?」
嬢「あら、なに~?知らないの~?」
ユ「はい…今日が初めてで」
嬢「まぁいいわ。ここは、なんでも出るのよ。別に和食じゃなくてもいいけど、基本的にはイタリアンか、フレンチだけどずっとは食べてられないからね」
ユ「そうなんですね。知らなくて、言われた通りのイタリアンを…って言いましたよ」
嬢「まぁ別に初めてならいいんじゃない?それで、あんた達、よく話しかけてくるけど、なんなの?」
ダ「特にはないんですけど…。前の方が、話されていたので、話しかけるのがマナーかと…」
嬢「あら?そうなの?なら、少し私の話聞いてよ」
ダ「はぁ…」
嬢「ほぁ~ら、そんな嫌な顔しないで、たまには年上の話も聞きなさい」
マ「お姉さんは、おいくつなんですか?」
ユ「おいおい…」
嬢「いいわよー?私は10歳くらい上だと思うわ、30前半ってところ」
マ「もう少し、若く見えますよ?」
嬢「ありがとねぇ~
愚痴なんだけど、最近私めんどくさいおっさんばかりとねぇ、ご飯行かないと行けなくて、それがご飯だけじゃなくて、だんだん旅行とか言ってくるし、めんどくさくなってるのよぉ。」
マ「なんか大変そうですね、…あと、どんな仕事してるんですか?」
嬢「見てわからないの~?キャバ嬢よ、キャ・バ・じょ・う!」
マ「あ、わかりましたって。そんな怒らなくても…」
嬢「これ見てわからないからよ……………」
(3人の沈黙を破るように、オーナーがテーブルの隣にいた。)
オ「失礼します。こちら、和食御膳お持ちしました。」
嬢「おっそーい。まぁいいわ、ありがと」
オ「加えて、海鮮パスタお持ちしました。」
ダ「お!すごい豪華だね。これは伊勢エビに、イカ、アサリに…これは?」
ユ「多分、白身の魚だけど、タイとかかな?」
マ「はやく食べましょ」

(4人が食事を終えたタイミングで、オーナーが再度現れた。)
オ「失礼します。お会計は、お持ちしましょうか。」
嬢「いいわ、入り口で」
オ「かしこまりました。それでは。」
嬢「じゃ、あんた達も楽しんでね。もう1品あるはずだから。あと、そこの2人の坊やは、このお店来たら…よくするわよ?」
ダ「は、はぁ…」
ユ「ありがとうございます!今度、行きますね」
嬢「あなたも女の子なら、働く側もあるのよ?じゃあね。」
マ「いや、私はいいです。あんた達、キャバクラとか行くの?」
ダ「いや、別に…」
ユ「いや、行かないけど、そりゃせっかく一緒に座ったんだから、少しはね?」

【会社員編】

オ「失礼します。お料理は、お口に合いましたでしょうか?」
ユ「あ!すごい、おいしいです!次は、確かもう1品あるんですよね?」
オ「はい、続きまして、セコンド・ピアットの肉料理になります。本日は、子羊のローストです」
ダ「やっぱ、すごいおしゃれだな。いつもカップ麺しか食ってないから、ほんとにすごいよ」
マ「ちゃんとご飯食べてるの?」
ダ「んーそんなかな?」
ユ「ちゃんと食べないとな、ダイチは」
オ「続けて、失礼します」
ダ「あ、すいません。まだ、いたんだ…」
マ「ねぇ、ちょっと…」[囁くように]
オ「お料理の前に、こちらの席にもう1名様、ご案内させていただきます。少々お待ちください。それでは。」
(オーナーは、席を離れてカーテンの奥へ行った。)
ダ「はぁ…まだ、来るんだ」
ユ「ここまで来たら、変わらない気もするけど」
マ「これなら、相席屋とも変わらないよねぇ…」
ダ「なにそれ?」
ユ「まぁ即興の合コンみたいな?」
マ「そんなわけないじゃない。ただの女のタダ飲みよ」
ダ「へぇー。」

(オーナーの後ろには、シワのついたスーツを着た男性がゆっくりと歩いていた。)
オ「失礼します。こちらのテーブルにお着きくださいませ。本日は、イタリアンのコースで」
会「あ、あのー、まだ席ついてないんですが、」[遮るように]
マ「ここでいいと思いますよ?」
会「あ、失礼します。」
ダ「あ、どうぞどうぞ」
オ「繰り返させていただきます。本日は、イタリアンのコースになります。」
会「あ、俺はカップラーメンで」
オ「かしこまりました。それでは。」
会「よろしくお願いします。」
ダ「そんなのも出せるんですね」
会「あ、そうなんですよ。ここのお店面白いですよね」
マ「お兄さんは、よく来るんですか?」
会「いや、昔は家でカップラーメン食べてたんですけど、そんなに高くないならお店で食べてもいいな、思うようになりまして」
ユ「ここカップラーメンも出せるんだ…いつから来るんですか?」
会「ここ、幼馴染に前に連れてきてもらってから、来るようになったんですが、その…常連になっちゃいまして…」
ユ「僕たち、今日が初めてなんですよ。」
ダ「幼馴染で、久しぶりに集まろうってなって」
会「いい友達ですね。俺にも、昔いたんですけどね、はははは」
マ「なんか乾いた笑いですね。なにかあったような感じですけど?聞いてもいいですか?」
会「まぁわかってくれる人がいるか、わからないですが、好きな人がいたんですよ」
ダ「それで、その人とは?」

(会社員は少しうつむいて、答えた。)
会「まぁうまくはいってないですね」
ユ「会社のお知合いですか?」
会「いや、んー?親しい友達というか、幼馴染なんだよね」
ダ「あ、俺たちみたいな感じですね」
会「そうですね、まさに男友達と女友達の3人組でしたね」
マ「それで、その女の子に恋しちゃったんですか?」
会「いや、実は男友達の方が、好きで…。実は、……ゲイなんですよね」
ユ「えっ!そうなんですか…全く…見えない…といいますか…」
ダ「そういうもんだよ。」
マ「それで、その人とはどうなったんですか?」
会「少し気まずくなってしまいました。」
ダ「それは怖いですよね。俺も…あっ!違います!違います…」
ユ「どうした?何も言ってないけど?」
マ「あんたもしかして…」
(オーナーはダイチの答えを遮るように、声をかけた。)
オ「失礼します。こちら、カップラーメンと子羊のローストをお持ちしました。」
マ「タイミング…」
オ「それでは。」
ダ「ほら、食べようよ!」
ユ「いや、その話聞きたいけど?」
会「俺は伸びる前に食べちゃうね。ただ、話すなら、俺がいないときの方がいいと思うよ?」
マ「まぁ食べましょうよ」

(会社員は急に立ち上がり、3人に声をかけた。)
会「俺はこの辺で、失礼するね。ただ、みんなは仲良くしてね」
ダ「ありがとうございます。また、どこかで」
ユ「いっちゃったな。ダイチ…聞いてもいいか?」
ダ「うん。」
ユ「その……ゲイなのか?」
ダ「うん。」
マ「いつからなの?」
ダ「いや、多分昔からかな」
ユ「確かに、コイバナは聞いたことなかったかな」
ダ「うん。なんか…ごめん」
マ「謝ることないよ!それが、ダイチなんだから」
ユ「うん。俺もそう思うよ。気にするなって」
オ「失礼します。デザートをお持ちしました。コーヒーと紅茶のどちらにしましょうか。」
(オーナーは、テーブルの横に立ち、3人の前にデザートのお皿を並べた。)
ユ「コーヒーで」
マ「あ!私は紅茶で」
ダ「俺も紅茶で」
オ「かしこまりました。それでは。」

マ「このデザートって、何?」
ユ「なんだろうな。多分、ティラミスのようなパフェのような感じかな?」
ダ「あってると思う。」
マ「それで…」
ダ「そんなことより、話変えようよ。ユウトは、何かないの?」
ユ「俺かー?まぁそりゃ結婚を考えた人?っていうか、考えてる人はいるけどさ」
マ「ええええ!?そんなこと聞いてないわよ?」
ダ「そうだよ!まさか…今日集めたのって…」
ユ「そうなんだよね…その結婚の報告したくて…うん、まぁ集まってもらったんだよね」
マ「なら、それ最初からいいなさいよー」
ユ「恥ずかしいからこそ、会って伝えたくて」
ダ「そのお祝いなら、自分で予約しなくていいのに」
ユ「まぁそれはさ、いいじゃんか」
マ「ほら、それで、どんな感じの子なの?」
ユ「んー?かわいくて、守ってあげたい感じの子かな?」
ダ「なんだよ~、のろけかよ?」
ユ「まぁそうだな!ごめんごめん」
オ「失礼します。コーヒーと紅茶をお持ちしました。それでは。」

(オーナーが、テーブルに戻ってきた。)
オ「お会計はどうされますか?」
ユ「あ、ここは俺が…」
ダ「え、いいよ!お祝いなんだから、マリと俺で払わせてよ!」
ユ「いや、このあと会社戻るから、経費で落とすよ」
マ「ほんとに?いいの?」
ユ「大丈夫だよ。ほら、いこうか」
オ「かしこまりました。入口付近でお待ちしております。それでは。」
ダ「はい。」
ユ「それじゃ、俺は先に会計行ってるよ」
マ「わかったわ。」
ユ「それじゃ。」
ダ「あとから追うよ」

(ユウトが、テーブルを離れてから、ダイチとマリが話していた。)
ダ「マリ、いくよー?」
マ「うん。あのさ…さっきの名刺、まだある?」
ダ「あの、キャバ嬢のひとの?あるけど?」
マ「うん。貰ってもいい?行かないでしょ?」
ダ「別にいいけど、待ってね。今出すよ」
マ「いや、今のお店辞めて、面接いってみようかなって」
ダ「ふーん。えっ?…あー…いいんじゃない。」
(ユウトが、支払いを終えて、テーブルに戻ってきた。)
ユ「遅いよー。もう払い終えたよ?」
ダ「あ、ごめんごめん。ほら、マリもいくよ」
マ「あ、うん。じゃ、それはあとでね」
ユ「なにが?」
マ「なんでもないわよ」

(3人はお店の外で、扉を背にしたオーナーと対面していた。)
オ「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
ユ「ありがとうございました。そしたら、これからどうする?」
マ「私はこの後寄るところあるから」
ユ「こんな夜なのに?もう22時だよ?」
ダ「なら、俺も家帰る前にスーパー寄って、カップラーメン買うよ」
ユ「またかよー。体に気をつけろよ?」
ダ「うん。じゃーまたね。」
マ「うん。私も行くわ」
ユ「なら、俺もタクシー拾って帰るわ」

オ「さて、皆さんがもし将来の自分と会うことができたら、気づきますでしょうか。
本日のお客様は、今夜を境にどのような人生を歩むのでしょうか。レストラン「フトゥーロ」、本日は3名様限定の開店でした。またのお越しをお待ちしております。それでは。」

終わり

【筆者のコメント】
処女作です。拙いところが多いですが、あらすじとしてはレストランを舞台に、5人劇が3場面繰り返されます。その中で、主人公それぞれの将来を描いたキャラクターが、出てきます。よろしくお願いします。


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