「古今和歌集」私撰秀歌 巻第五 秋歌下 歌294
「なりひらの朝臣
ちはやぶる神世もきかず竜田河唐紅(からくれない)に水くくるとは」
●漢字付加:
千早振る
神代も聞かず
竜田河
唐紅に
水括るとは
●歌意:
不思議なことの多かった神代でも聞いたことがない。竜田河が、水を真っ赤に括り染め(くくりぞめ)にするということは。
●感想:
「水くくる」は水を括り染めするという意味。括り染めとは、絞り染めのこと。絞り染めは、布地の所々を糸で硬く縛り、白い染め残しを作る染色法。
ゴージャスな雰囲気のする歌。秋の絢爛豪華な色彩の洪水を感じさせられる。
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ここで、「巻第五 秋歌下」は終わり。次回からは「巻第六 冬歌」。
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目次と序:
https://note.mu/yanai/n/n5825ea920db5
参考文献:
講談社学術文庫「古今和歌集 全訳注 二巻」(久曾神 昇)P125
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