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不整脈、妊娠、ペースメーカー。

※本稿は2018年のtumblr投稿から転載した記事です。他のnote記事と内容が重複する場合があります。

不整脈、妊娠、ペースメーカー。  

ここ一週間ずっとこれで検索してる。ヒットするのは

・妊娠して不整脈になった/不整脈だとわかった
・お腹の中の子が不整脈だった

の2種類がほとんど。
求めているのはそれじゃないんだ。
病院で言われたことを、自分なりに調べたかったのだけれど、自分の病気については、自分の通院先のホームページが一番詳しかった。
伊達に日本でもトップクラスの病院に通ってないなと思った。
仕方ないので、自分のために、あと何かあった時に誰かに役に立てばラッキーと思って、気持ちの整理をしておこうとおもう。

私は後天的不整脈だ。理由はわからない。
2歳の誕生日の頃、熱を出して病院に行ったら、脈が一定ではなかった。
診断は2度の房室ブロック。数年して3度へ悪化、定着した。
「完全房室ブロック」とも呼ばれている。これがどんな病気かは専門家の記述を読まれたい。
私は人に聞かれたら「心臓と脳の連絡係がいなくなってしまって、心臓が独立機関化してる」と説明するようにしている。

完全房室ブロックの患者は、脈の乱れを感じたり、運動しても脈拍が上がらないことに苦しむらしい。
酸素が足りなくなるので、脈が増えない代わりに心臓が肥大する。なので殆どの患者がペースメーカーを入れる。
ただ、私の独立機関はなぜかゆっくりでも一定に拍動し、走れば脈が増えた。
当時の主治医がペースメーカー見送りの判断をしてくれたことを、私は心から感謝している。
母が必死で見出したサードオピニオンだった。

23年経つけれど、いまも半年ごとに心臓の肥大がないか経過検査に行っている。
私は至って健康だし、わざわざ説明しない限り、病気だと見てわかる人はいないと思う。
病気がちな健常者より健康だという自負がある。
ただ、この歳になって降って湧いたのが、妊娠とペースメーカー問題だった。

そもそも十数年前までは、不整脈なら妊娠してはいけないとすら言われていたらしい。
妊婦は血液や血管を胎児と共有して、お腹の中で子供が形になるまで育てていく。
子供が生まれるということは、さっきまで体内にあった血液や血管が失われるということだ。
心臓には急激な負担がかかる。

先週、さらっと、主治医に「まあ産科はペースメーカーって言うでしょうね、産後の死亡例多いですから」だなんて言われて、私は真っ白になった。
私死ぬのか?

ペースメーカーは、画期的だ。
ただ、まだまだ制約が多い。身体に近づけてはいけないものや、近づいたらいけないところや、様々な生活の支障を生む。
数年に一度は、電池交換をしなくてはいけない。
電線が古くなったら、身体に通した電線を抜いたりすることもある。
嫌すぎる。
聞いた時、ずるずると抜き差しされる電線をリアルにイメージしてしまって、完全に私の気持ちは墜落した。

今の主治医は4人目、小児科を離れて初めての先生だ。
よく分かってくれていて、できるだけペースメーカーを入れたくない私の気持ちに応じてくれている。
その先生が、きっとペースメーカーと言うのだから、きっとそうなのだろう。
ただこれまで、妊娠の間の一時的な補助器具で乗り切れると聞いていたのもあって、突然の本気に私はドン引いてしまった。
死にたくないし、ペースメーカーも入れたくない。あとは気持ちの問題だけど、気合いは数値化できない。

とりあえず半年後を目処に、産科も主治医をつけてもらうことになった。
基本姿勢は、ペースメーカーも死も回避出来るルートの模索だ。
どうなるかはわからないけど、多少時間はあるので足掻いても良い気がする。若いうちに産めばなんとかならないか?

ここから5年が私の人生を大きく変えていくのだと思う。
誰かに吐き出す形でしか語れないので、ここに残していきたいと思う。
病気ブログにありがちな、こうすれば楽になるみたいな情報を綴る気はないので、そこだけご留意されたい。

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