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今こそ薬師丸ひろ子主演のママの遺伝子というドラマの事を語っておこう

今春から始まったNHKの朝ドラの「エール」
この朝ドラで二階堂ふみの母親役として出てくるのが薬師丸ひろ子である。この作中の中で母親は二階堂ふみに対して、留学する裕一の足を引っ張ってはならないからと身を引くように勧める。
何故そのように彼女に勧めるのかというと、自分もかつては歌劇団で演者になりたかったけどもその夢を諦め家庭を持ち今はそれなりに幸せだからだという。この設定を目にして私が真っ先に思ったのが「ママの遺伝子と同じじゃん」という事だった。

そもそもママの遺伝子とは

「ママの遺伝子」は、2002年10月11日より12月13日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、TBS系列の「金曜ドラマ」枠で放送されていた日本のテレビドラマ。(by Wikipedia)である。主演の薬師丸ひろ子の他に上川隆也、沢田亜矢子、阿部サダヲなどが出演した。

どういう話なのかを一言で説明すると「姑(沢田亜矢子)とその姑に無自覚な旦那(上川隆也)に振り回されて自分の夢や家庭がめちゃくちゃになったのを、子供のお受験という目標に打ち込む事によってそこから抜け出そうともがく話」である。

この作中の薬師丸ひろ子(七海という役名なので以下七海と表す)も当初は自分の夢を持ちその夢を諦めていた過去があった。
その夢というのが「もう一度独身時代に働いていた建設会社のリフォーム部門で働きたい」という夢である。
その夢が叶う一歩手前だったのだが、面接であえなく落選する。しかし、その落選というのも実は姑が最終選考の案内通知を握りつぶしていたせいで勝手に七海がそう思い込んでいただけだったというのが分かってしまう。
七海はそれを面接直前の元同僚からの電話(元同僚は案内通知が握りつぶされたとは知らないので何をしてるんだと怒っていた)でようやく知り、ニヤつく姑を睨みながら悔し涙を流すシーンがありそれが強烈に印象に残っている。ここから七海は子供のお受験に傾倒するようになるのだが……

本質的に変わらない役どころに感じる懐かしさ

この薬師丸ひろ子が演じる両者ともに感じる共通点は

・自分の夢を周りのせいで諦めざるを得なかったことがあった事。

・周りの人間が頼ってきて自分がしっかりしなければならないという状況に立たされる事

・その結果個人の意思を軽視し、自分の考えを押し付けてしまう事

である。当人は夢を持ち伸び伸びと過ごしたかった筈なのにそれを周りのせいで諦めてしまうとどうなるかというと必ず「自分の息子(娘)には私と同じ不幸な目に合わせたく無いから私が正しい進路に導かなければならない」という思考回路に陥ってしまう。自分がやられた事をそのまましてしまうという所に個人的には生々しさを感じてしまうのだ。

ママの遺伝子というドラマ自体は本当に凡作もいい所なんだけども、RAG FAIRの主題歌は良い。というよりRAG FAIRの主題歌が良かったから見てたんだけども、当時の自分はまだ若く「RAG FAIRの主題歌だけ見て後の本編は見ないで金曜ロードショーでも見ておく」というような合理的な選択が出来なかった。そんな事を不意に思い出した今日この頃である。

ちなみにparaviで配信されている。暇だったら一度見てみるのはどうでしょう? 私は見ませんが……(了)


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