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対人関係がうまくいく「大人の自閉スペクトラム症」の本 正しい理解と生きづらさの克服法 宮尾益知

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ASDの本質的原因の仮説として、「大脳の神経回路の偏りにより、一つの情報処理だけが優先されてしまい、他の処理が抑制される」という見方がある。一度に一つの情報処理しか行えない「シングルレイヤー思考」、ひとつの情報に注意が向くと、それ以外には注意が向かなくなる「シングルフォーカス」や「白か黒か」という極端なコントラストで情報処理を行うのがASDの特徴である。

ASDの患者さんは診察室でも表情は変化に乏しく、私のほうから質問しても、フリーズしたようにしばらく黙っている場面がしばしば見受けられる。著者によると、このようなときは「一つのレイヤー上に考えがいくつも散らばっているために即答できない」のだという。患者さんがフリーズした時、上記のようなことも念頭において診察しなければと思った。


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