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祈りの幕が下りる時(著者:東野圭吾)

著作者:東野圭吾 発行所:株式会社講談社 2016年9月15日発行
 
押谷道子(おしたにみちこ)が葛飾区小菅のアパートで殺された。部屋の住人である越川睦夫(こしかわむつお)は、姿を消していた。『越川の行方を推定できるようなものは何ひとつ見当たらなかった。それどころか、越川という人物が何物かを示すものさえないのだ。』
 
刑事の松宮と坂上は、滋賀県の道子の職場を当たって、交友関係、東京との繋がりなどを探るよう指示される。道子と仕事上関係がある「有楽園」という老人ホームは、無銭飲食を巡るトラブルがあり、身なりがみすぼらしく、髪も汚い六十代後半の女性を預かっていた。
 
押谷道子は、その女性が、中学で仲の良かった友達のお母さんではないか、と言った。その友達の名は「アサイヒロミ」と言い、東京で芝居の仕事をしている。押谷は、「アサイヒロミ」と会う絶好の口実ができた、と思ったのではないか。
 
「アサイヒロミ」は、浅居博美と書き、演出家で脚本家、そして女優である。浅居博美の経歴は、『地元の小学校、中学校と通っていたが、中学2年の秋に両親が離婚、彼女自身は父親に引き取られた。だが間もなくその父親が死亡し、やむなく養護施設に預けられた。』
 
『押谷道子の上京目的が浅居博美に会うためであったことは間違いない。』しかし、浅居博美が押谷道子を殺害する動機はないように思われる。
 
加賀刑事をはじめとする刑事たちの懸命な捜査により、事件の全容が判明されていく。楽しんでください。
 
注:『』は、引用文
 

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