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【中国動向観察】没後16年故趙紫陽総書記一族に故居から退去の命令が下る

 1989年6月の「天安門事件」の際に失脚した趙紫陽総書記が逝去してから16年、これまで清明節には彼の親戚や支持者が彼の故居に集まり毎年彼を偲んできた。

 しかし、今後は勝手が異なる模様だ。党中央の事務局である中央弁公庁はすでに趙紫陽一族北京市内の富強胡同から7月1日以前に退去するよう通達したという。趙紫陽の息子である趙二軍とその娘王雁南などの家族が清明節だった4日、北京市の昌平の墓地に墓参りをした。

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 趙紫陽の墓地には当局から人が派遣され、警備員が人の出入りを禁止していた。一族と親友20人が墓まで赴き献花をし、趙紫陽総書記の秘書を担当した鮑彤氏も花輪を送ったがそのプロセスは全て監視されていたという。

  趙紫陽氏は天安門事件時にその意見の違いから更迭され、以降自宅軟禁状態になっていたが、2005年1月17日に逝去している。更迭されたとはいえ、趙紫陽一族も体制内リベラルグループの一角を占める人々といってよかろう。こうしたグループの人たちさえにも容赦ない態度を示しつつある習近平政権の余裕のなさは一体どのような理由からくるのだろうか。


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