アナフィラキシーショック体験記 後編
.........ん?なんだ???
喉の辺りで、電気のスイッチをOnOffを繰り返す様な感覚がする...。
実はこの時、病院の救急治療室で治療を受けていた。
病院に運ばれた時、喉が腫れて呼吸ができない状態だった。口から泡を吹いていたらしい。
気管にチューブを通して息ができるようになったため、意識が戻ったようだ。
体の感覚はあるが、手足は動かない。目は開けられたが真っ白で何も見えない...。かすかに人の話し声が聞こえる。
少しの間ぼーっとしていると、段々と話し声の内容が聞き取れるようになる。なんか叫んでいる。左右で黒い影が動いているのも見えるように。
ここでようやく、自分が病院で治療を受けている事が理解できた。
医者や看護師さんは慌ただしく動いている。
私は意識はあるが、お昼寝をしている時のような、ぼーっとした状態が続く。
「よろしくお願いしま~す。」
と心の中でつぶやいていた。
その間にも、
看護師さん「先生!血圧、50しかありません!」
医者「アドレナリン!...もう一本!!」
ものすごく怖い会話が聞こえてくるが、意識がぼーっとしいるのでどこか他人事のように感じる。
時間が経つにつれて、徐々に目や体の感覚が元に戻っていく。看護師さんの声掛けにも反応ができるようになる。
気管にチューブが入っているので話すことはできない。うなずいたり、手を上げたりして対応する。
慌ただしくしていた医者や看護師の動きもゆっくりとなり、人数も減っていった。
どうやら終わったらしい。
医者から細かい説明があり、このまま入院となった。
アナフィラキシーショックは、起きてから24時間は再発の可能性があるとの事。
それから2日後、無事退院した。
後日、経過観察の為に病院へ。
特に問題は無かったが、最後に医者から笑顔で一言
「あと10分遅かったら死んでたよ~。」
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