「買いのタイミング」 ② ふるい落としを見極める
自分が株式を売った、その次の日からスルスルと株価が上がったことはありませんか?ふるい落としとはなんなのか、どういう特徴があるのか、2023年で実際に見事にふるい落とされた例と、ふるい落としを見極めた例を交えて、紹介したいと思います。
ふるい落としとは
ふるい落とし(shakeout)とは、Cup-With-Handleなどのbaseを形成した後、breakoutの直前で起こる、弱者が株式を売却させられて、強者が残っていく現象です。自分が買った直後から下落し、どんどん下落して損切りを要したが、その次の日からは嘘のように株価が上昇し高値を亢進していきます。ふるい落としは、baseに応じて、1度ではなく何度か表れる可能性があり、損切りを厳しく置き管理しているLow-Risk traderの最大の敵です。
ふるい落とされた例
$TMHCをみてみます。2023年2–3月にかけて深さ9%程度のflat baseが形成され、値動きも穏やかなので注目していました。抵抗線のbreakoutを1回失敗し(赤矢印)、出来高が少なくなってきて終値も穏やかになってきたため、2回目の抵抗線breakoutを越える所(黒矢印)でentryしましたが、その後出来高を伴って下落しました。徐々に出来高が減りながらの下落ですが、3日連続だったので3日目で私は損切りしています。最終防衛損切りlineの7%には到達していなかったので、positionを半分にする手もありましたが、当時のトレード成績を加味し、すべて手仕舞いました。しかし実際は最後のふるい落としで、その次の日からぐんぐん株価は上昇し、どんどん高値を更新し続け、今に至ります。ここでの反省点は、
① 自分のトレード成績が悪いためリスク管理の観点からいつも通り動けなかったこと(いつもはpositionを半分にして、最終防衛ラインで売り切る)
② ふるいおとしの見極めが不十分だったこと
です。弱者をしっかりとふり落とす必要があるため、誰もが見える安値が上がっていく楔形の抵抗線(茶色線)ではふるい落としは完全ではなく、それを出来高が軽く超えたらふるい落としが完成します。さらなるふるい落としが起きる可能性もありますが、私がひっかかったふるい落としの下落率が5%程度だったので、次のふるい落としは、どんどん強い買い手に買い支えられているので、5%未満になる可能性があり、問題なかったでしょう。理想なentry pointは緑矢印だったと思います。
ふるい落としを見極めた例
次は$BKNGです。2023年5–6月にかけて、深さ12%程度のflat baseの中段で株価の値動きが穏やかになっており注目していました。6/16に出来高を伴う陰線がありnegativeですが、下落率は1%程度なので許容範囲です。baseの中段高めの所に形成されている抵抗線のbreakoutを1回失敗し(赤矢印)、さらに徐々に安値が切り上がり(茶色線)、次に2日連続で下落しその線を出来高軽くわりました。ふるいおとしだと判断し、中段抵抗線$2,730で早期entryしています(緑矢印)。抵抗なく株価は上昇し、するすると高値を更新していきました。
実際は、決算前で連日下落したため、「決算はリスクである」というリスク管理の観点からpositionを手仕舞っており、数%程度のごく小さな利益に留まっています。保有していた場合は、良好な決算の結果を受けてどんどん高値を亢進していき、1回転はとれていたと思いますが、2023-2Qシーズンの決算は全体的にvolatilityが非常に高く、普段より決算の結果に過剰に反応している環境だったため、すなわち回避すべきリスクであり、Joy Of Missing Out (JOMO)の気持ちで見送りました。
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