日傘

その子は日傘をさした。ジャージでさしているのがとても可笑しかった。
とても日差しが強い日だった。朝は寒かったのに、午後二時を過ぎた今は確かにその子が言うように焦げそうなほど暑い。私はその子の日傘の中に入った。
日差しを避けるためだけでは無い。

信号が青になった。高架がみえる。博多駅はあの高架を沿っていけば必ずたどり着ける。
渡りきってまた信号を待つ。
日傘の縁の突起が私の頭をこつんこつんとつつく。その子は私の背が高いのだと言った。
私が傘を持った。若さが呼吸している。

バドに負け日傘に透ける青さかな

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