『晴明伝奇』第7話 雨乞いの儀式
▶時期:天慶六年(943)
賀茂保憲の主人になる藤原師尹は、藤原忠平の息子たちのなかでも特に冷たく厳しい性格だと知られていた。晴明と保憲は気を引き締めて彼に仕えなければならなかった。保憲は師尹から料紙を渡され、翌年の暦本を造るよう命じられた。暦の吉凶を示す日は数え切れないほど多く、晴明はとても覚えきれないと感じる。だが、保憲はこれらの吉凶日をすべて暗記していた。
干ばつの季節になり、保憲は雨を祈るために五龍祭を奉仕することになった。晴明は、いつか陰陽師になったときのために