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【過去記事】世界相場師列伝

2007年に『特冊新鮮組DX』に書いた記事です。
この頃はほぼ毎月この手の列伝モノを書いていたけど、まだwikipediaとかが充実していなくて、ググっても簡単なことしか出てこなかったので、ネタ本を何冊も買い込んで読んだ思い出があります。
まあコタツ記事ではあるものの、いろいろ調べて、新しいことを知ることが出来て楽しかったです。
音楽とかについて書いているときと同じような文体で書いているので、どこか異質な感触があるのは半分意識したものです。
村上ファンドやジェイコム男など、なんだか懐かしいですね。

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●前文
「相場師とは?」

 相場師とは職業ではない。相場師とは生きざまである。
 株や為替の相場変動によって生まれる利益で日々の糧を得る彼ら。一瞬先すらも予見することの出来ない相場を読み、時には億単位の大金を投じる相場師たちはビジネスマンというよりギャンブラー、勝負師に近い。のるかそるか、大勝負に賭ける相場師には、博徒に通じる男のロマンが漂う。"最後の相場師"是方銀蔵や"新宿将軍"浜野茂など、一流の相場師には大仰な渾名が付けられている。
 賭博師と同様、成功を収める相場師は稀である。彼らの多くは一攫千金を夢見ながらも、兜町や蛎殻町、大阪の堂島などの地べたを這いながら生きている。一度大金を掴んだ者であっても、一瞬にしてすべてを失ってしまうことが少なくない。死屍累々を乗り越えたほんの一部の勝利者は、手中にした大金を慈善事業などに寄付することもあるが、大半は新たな勝負への軍資金として投じるのだ。
 近年はネットトレードなどでゲーム性が高まったといわれる投機ビジネス。だがその本質は、昔と変わらぬ富と栄光への渇望。パソコンのディスプレイの向こうには、相場師のギラギラした眼光が輝いているのである。

●【コラム】相場師と裏社会のつながり

金が金を呼び、金が人生を崩壊させる。相場ビジネスは、人間の生の欲望が渦巻く坩堝だ。それゆえか、相場師にはしばしば人の欲を食い物にする裏社会の影が見え隠れする。

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6,530字
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