【江談抄】3-28 菅根と菅家と不快の事 3-29 菅家、菅根の頬を打たるるの事

【原文】
(3-28)菅根と菅家と不快の事
命せられて云わく、「菅根と菅家と不快なり。菅家事に坐せしむる日、寛平上皇、この事を停止せむこと申さんがために参らしめたまふ。菅根仰せを通ぜず、皆もって遏絶す。これ菅根の計なり」と。

(3-29)菅家、菅根の頬を打たるるの事
「菅根は止むごとなき者なり。しかりといへども、殿上庚申の夜に、天神に頬を打たるるなり」と云々。

【現代語訳】
(3-28)菅根と菅家と不快の事
(匡房が)仰るには「藤原菅根と菅原道真公は仲が良くなかった。道真公が(大宰権帥に左遷されるという)事件にお巻き込まれになった日、宇多上皇は、この左遷を取りやめさせようと(醍醐天皇に)奏上するために宮中にご参内なさった。菅根は(宮中に入れるようにという)宇多上皇の命令を聞かなかった上に、皆で妨げて宮中に入らせなかった。これは菅根の謀(はかりごと)であった」とか。

(3-29)菅家,菅根の頬を打たるるの事
「藤原菅根は一流の人物である。そうではあるけども(人体に潜む三尸虫が眠っている間に天に昇り、その人の悪事を天帝に報告するという)庚申の夜に宮中で(いつものように皆で徹夜で管弦、詩歌、双六、碁などをして)過ごしているときに、道真公に頬を打たれたのだ」とか。

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