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転勤族による転勤族談義 8

久しぶりの転勤族談義です。

では、本日も参りましょう。
転勤していると感じるのは、失敗を恐れて不安に駆られていると精神的に壊れていく、強くなれ!です。なぜなら、転勤族には色々な目に見えない諸々の地雷があるからなのです。

その中の一つ、1番分かり易いのはローカルルールの存在です。
ずっと定住している方には分からない、無意識に理解出来る地元の決まりごとみたいな物です。良く言えば、地元を円滑に回す為の「潤滑油」みたいな物で地元には必要な物なのですが。知らないよそ者には、とても厄介な物です。

県庁所在地をメインに回っておられる、転勤族さんが多いですから。地方都市を転勤されている方にはあまり馴染みの無い話かも知れません。

基本的にこういうローカルルールが多いのは、人口の少ない片田舎に多いお話ですので、転勤族仲間でも共感して貰える事の少ないお話です。

さて、そのローカルルールですが。実は色々とあるのです、説明するのが難しい内容ですので・・・。1番分かり易い例を話して行きたいと思います。

謎のルールがあるのは、主に近所付き合いです。
ですから町内会の役員になった時に、ぶち当たる事が多いのです。
「え?転勤族なのに、町内会入るの?」と言われそうですが、入らないという選択肢が無いことも往々にして有ります。

転居して、住民票を移す為に役所に行くと
「こちらの自治会長さんは、〇〇さんですが転居されてきた方がいらっしゃる事をお伝えしますね。今日の内に顔を出してください。ご近所にご挨拶するために、連れて歩いてくださいますので」等、仰天ルールがあったりします。

全ての住人が、それぞれの家の”家族構成”や”勤務先”まで分かっている。
そんな田舎では、こういうルールもありますよ。そう言うお話です。

そういった場所で暮らす場合、基本的にほぼ半強制的に自治体に入る事が決められています。

また、このご近所付き合いが癖があり。会合は男性が出る物と、決まっている所が多いのです。女性が顔を出すと「女じゃ話しにならん、旦那を呼んでこい」などを暴言を吐かれる事も多く有りました。

我が家の場合、夫が交代勤務で365日、朝晩関係なく仕事をしています。それなので、土日の夜に行われる会合に夫が出ることはほぼ不可能です。それを理解して貰う為に、相手が納得してくれる説明をするのも、妻の仕事です。

さて、話しを戻しましょう。

1番地雷が多いのは、役員が当たったときです。
運動会で参加者にお菓子の詰め合わせを出すので、お菓子の用意をする。などお役が当たると、行事の支度をする必要が出て来ます。
「今年の予算は、昨年と同じで1人500円程度のお菓子と、ペットボトル1本で用意お願いします」
などという連絡が会長さんから来ます。

普通に考えれば、別に難しい事は無いと思いますよね。
20代の私も、同じ様に考えていました。
本当に500円+飲み物を用意するだけなら問題無いのです。

ただ、ここには無数のローカルルールが転がっています。
A町内会に住んでいた時。夫が仕事に車で出勤する為、足の無い私は
大量のお菓子を持って帰ってくるのが大変で、通販でお菓子を買い。
自分で家で、袋詰めして500円程度の詰め合わせを作りました。

行事の3日前になって、会長さんの奥様から電話が入りました。
「貴女、何やっているの。早く用意しないと間に合わないわよ。
 相手様も買いに来られると思って、お菓子用意して待ってくださっているのだから早くして下さいね」
と言うのです、私としては頭の中が「???」でした。

そう、ここの町内会は町内に1店舗あるお菓子屋さんで、毎年お菓子を買うという決まりが有ったそうです。

購入場所指定で、買いの行くだけ。予算のお菓子は自動的に用意され、渡されるだけという簡単なお仕事だったようです。

お菓子屋さんも、毎年の事なので箱一杯のお菓子を用意して待って居るとのこと。正直、は?そんなこと知っているなら最初から言えよ。でしたが。

そんなこと、新参者は言える訳無いのです。

結局、町内全部のお菓子。自腹で買った分の損失を被らなければならなくなりました。これが、転勤族がぶち当たる町内会の恐怖の一例なのです。

またB町内会では、また別の地雷が仕込まれていました。
A町内会で、痛い目に遭っていたので「子供会のお菓子を用意して下さい」と言われたときに慎重になったのを覚えています。

子供用なので、駄菓子の詰め合わせで1人700円で。と言われたのです。子供会で用意するのではなく、会計が予算を持っているので用意して下さいというのも驚きでしたが、取りあえず言われた事は疑問に思わず「はい」と行うのが問題を起こさない最善の方法だったりします。

駄菓子の詰め合わせで、適当に見繕って買って来て。
との指示でしたが最初に聞いたのが
「購入場所の指定はありますか」でした。そちらでは、購入場所の指定は無く。少しほっとしました、B町内会はA町内会と比べると倍くらいの人口のある地域でしたので比較的都会と言える場所でした。

しかし、ここで「ハイ、分かりました」というのは、とても危険です。
「中身なのですが、適当に見繕ってとのことですが。入れてはダメな物って有ります?前年までの引き継ぎ事項で、NGが有れば教えてください」
そう聞くと「ああそうね・・・」と言って、ポツポツとローカルルールを話し始めました。
「ほらね、やっぱりあるんじゃーん」でした。

外に持って歩くので、チョコレートなどの溶ける物は避ける。
ゼリー状や、液体などは、避ける。
出来れば、乾物系メインで用意してください。

「とすると、飴も避けた方が良いですよね」
「そうね、飴は間違って飲み込むと危ないし。マンナン系も避けてね」

はいはいはい、ほらね。
またやらかす所だったよ!

でした。この時は、無事トラブルを回避出来ました。

そんな諸々のローカルルールが存在します。

失敗することを恐れるというよりも、失敗しないことを目指す。
失敗して当然、致命的な失敗をしないように足元を固める。
こんな転勤生活を、すでに20年以上して来ています。

今では、百戦錬磨の転妻である私も、結婚当初は相当な
”豆腐メンタル”でした。
予測出来ない問題に、正面から当たって砕け。
精神がグチャグチャにされ、ミンチ状態になることもしばしば。

今は、壊れた豆腐に挽肉を加え、つなぎを加え味付けし。
美味しい豆腐ハンバーグに加工して、食べられるレベルになりました。

今思うことは、人間何度だって立ち直れるんだ。
精神も、自信も、ミンチになったら、リメイクして作り直せば良いんだ!
一々落ち込んでたらやってらんねーぜ。これです。

年々、環境の変化に弱くなり。
先々定年まで心配ですが、何とか乗り切って行こうと思っています。