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中国の奥地あるある

 募金で「貧しい子供を学校に行かせましょう」という売り文句がよくあるんだが、これは眉唾だと思ってる。自分の経験でもそうだし、海外経験が豊かな知人と話しても、必ずしも学校に行けない貧しい子供が学校に行きたいわけではないことがわかる。「貧しい子供たちは学校に行きたいに決まっている」と想像してみると、その前提がひっくり返されて結構衝撃を受ける。

 まだ時間に余裕があるころ。雲南省の奥地、たしか怒江沿いか、シャングリラのあたりか、ともかく奥地を旅してたときだ。地図を頼りにローカルバスに乗って電気もほとんど通らないような村にいったときに、絵に描いたような貧しい子供に囲まれたときがあって、「学校好き?」「学校行きたい?」ときいたら「行きたくな~い!」と全員が笑顔で答えて驚かされた。いろいろ聞いたような気がするが、この話を急に思い出したので書いた次第。

 で、そういうところに行くと、商店もいよいよコーラやポテチがあればいいほうで、飲み物はミネラルウォーターと白酒しか売ってないとか、なかなか旅はハードになる。そんなしんどい旅がバックパッカーは好きなのだからいいのだ。

 食堂にしても、だいたい集落と集落を繋ぐ主要道・・・といっても片道1車線の道だけど、その道沿いに食堂があって、だいたい雲南のお隣四川省の夫婦が四川訛りの中国語を話ながらやりくりしてる。この食堂なんだけど、

・テーブルと椅子のセットがいくつかある
・メニューがない
・なんか地べたに乾燥した野菜がある
・棚があって野菜がいくつかある
・アイスの冷蔵庫みたいなのがあって肉が入ってる

こんな感じの外国人にはかなーりハードルの高い食堂になっている。

 注文方法は、1.「これとこれと」と言った具合で指差しでいいからいくつも食材を選んで「一緒に炒めるとか」「スープを作る」と調理方法を指示する…か、2.「豚肉炒飯」など食事名を注文する。この場合は事前にそれなりに食事名を把握してしゃべれるようになる必要がある。こうした食堂の形態は、多分中国だけじゃないと思うんだけど、いかがでしょう・・・?

 注文の量は2人3人で旅行すると、スープと炒め物系のおかずとご飯の3点くらいを注文する。1人だとチャーハンひとつで済むが少々栄養的に偏って旅行は心もとない。

 だいたい雲南の田舎のロードサイドなんて競争がそもそも発生せずなぜか四川人が店を構えてるもので、油っぽいなど、だいたい不味いことが多い。

 まずいんだけど「これとこれを炒めて」という指名の組み合わせがあり得ない場合「それはねえな、代わりにこれとこれはどうだ」と言う風に提案してくれるのがこの手の飯屋の面白いところ。これを積み重ねると、なんとなくもやっとした規則性が見えてくる。あと見たことない食材が稀に混ざってるのが面白い。「どうやって料理するの?」と聞くと、「あれと一緒に炒めるんだわ」「じゃあそれ作ってくれ」となる。

 そんな感じで最後に食堂のおっちゃんおばちゃんから値段が提示されたり、なければ最後にこちらから値段を聞いたりする。で、だいたい毎度結構高い値段を要求される(中国人と一緒にいってもそう)。店がないことをいいことに、不味い癖にエグイ値段付けなんですよね。で、四川の出稼ぎ夫婦がいろんなところに店構えてトラップつくるんで、雲南人は四川人のことを嫌っているけど、それはさておき。

 流石に長く中国に足を踏み入れてないと、そんな店でも食べたくなるんだよなあ。いつまたいけるかな。


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