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近いのに異世界感満点のフィリピン飯

 フィリピンって面白いんですよ。あんなに近いのに、東アジアや、インドシナ半島の国々とは違って、スペインっぽい異色の国で、英語がかなり通じて。乗り物もジープを改造してデコレーションした「ジプニー」がバス代わりで、魔改造三輪車「トライシクル」がタクシーとして使われてて。

 日本から送られた地下鉄は窓に金網付けられて、機関車で引っ張られて、その合間を縫って人力トロッコが勝手に人を運ぶ。

 アジア慣れしてても、フィリピンはがつーん!と来る異世界感があるんですよ。こんな近くに!?ってところにスペイン圏(中南米含む)の風景があり。下の写真もフィリピンのビガンと言う街。

 食事もまた面白くて、僕はそれに日本で目覚めた。なにせ景色や雰囲気が他のアジアの国々と全然違うのでそっちの印象が強くて、食事まで印象が残ってなかったのだ。

 フィリピンといえばどうしてもフィリピンパブのイメージがあるが、フィリピンパブで働く人が多くいるということは、フィリピン人向けの飯屋も商店もある。フィリピン人向け店を見つけて一歩入れば、脳がバグるほどの別世界。中国人はもとよりタイ人よりも明るいラテンなフィリピン人の店員と客が作り出す光景は、外の世界とうって変わって明るい。

 僕が過去に行った場所では東京・小岩の「ルトンピノイ」と「ダバオキッチン」、それに名古屋・栄の池田公園近くにある「カイビガン」は一歩入った瞬間に、どこでもドアを使った感覚になるほどに、抜群にフィリピン食堂が味わえる面白い店だ。

 小岩のルトンピノイは病みつきになる良さみがある。

 まず看板に日曜夜食べ放題1000円とある(コロナの今は休止)。大変よい。ビジネス系雑居ビルの2階の奥まったところにあり、すごく入りずらい。大変よい。しかし入るとその先にキラキラした風船と電飾が迎えてくれて、フィリピンパブの居抜きのふかふかソファに座ってまったりできる。最高だ。

 だいたい日曜だとフィリピン人がカラオケで盛り上がっているんだが、そうでないときは静かなもので、オーナー家族がまったりしていて、子供がスマホで遊んでいたり宿題をしていたりする。その雰囲気もまた味わいがある。

 そこで食べたいのが、肉とタマネギを炒めた「シシグ」、あるいは魚の「ティラピア」料理あたりか。炭水化物がほしければ「パンシットカントン」を使った麺料理とか、メニューもあるけど、メニューにない料理をいくらでも作ってくれる。店員家族と仲良くなったら皆さんに相談してオーダーすればいいのだ。あるいは「今日これあるんだけど食べる?」なんて笑顔で相談してくる。

 安いから大丈夫。キャバクラっぽいけどフィリピンパブの居抜きであって本当に安いから。ビールにしてもサンミゲルやレッドホースがフィリピンモノだが数百円なんで。

 夏場暑いときは、クーラーがきいたルトンピノイに入って、ソファに腰を下ろして。シークワーサーのような柑橘類の「カラマンシージュース」をオーダー。確か380円とか、もっと安かったかもしれない。氷が入ったそれをぐっと飲むとちょっと外国旅行した気分になるのも相まって満足することうけあいだ。

 異世界飯感が強いフィリピン料理。コロナがちょっと落ち着いたら、是非。


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