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英語は敵性語だなんて誰が言い出したんだ?

数年前のNHK朝ドラの「カムカムエヴリバディ」でこんなシーンがありました。

「英語は敵性語だからラジオ講座を聴くな」
と発言した大人に対して、
「聴いてダメなものなら放送してないだろ?」
と子どもがやりこめるんです。

普通なら「屁理屈を言うな!」と大人が激怒する場面ですが、ドラマですから大人が「君は賢いな」と感心する演出でした。

シカシナガラ、ここは実に示唆に富んだ場面です。

戦時中を描いたドラマで必ず取り上げられるのが、英語を始めとした「敵性語」。敵の言葉だから使ってはいかん、敵の言葉を使うのは非国民だ、敵の言葉を使うのはスパイの疑いがある、なんて使い方をされる「敵性語」ですが、実は法律で取り締まられていたワケではないらしい。

実際のところ、軍隊でも英語は使っていたし、日本軍の躍進を伝えたのは「日本ニュース」であり英語で表現されていました。東条英機ですら、「英語は敵性語だから学校教育から除外したらどうか」という提案を、「英語は戦争遂行に必要だろう」と却下したとか。

それでは、「敵性語」とは何だったのか?

どうも国民が戦争に熱狂する余り、自発的に生まれた愛国心という名のヒステリだったらしいですね。いってみれば、2020年ころのコロナ禍の世の中で猖獗した「マスク警察」や「自粛警察」と同じタイプの現象らしいです。

実際のところは、その時代の色々な場面で様々な現象があったでしょうから、簡単にひとくくりにはできないでしょう。しかし国が指導したワケでもないのに、勝手に敵性語だのマスク警察だのと正義感を振りかざしたがる国民性とは、いったいどういうモノなんでしょうね?

ちょっと空恐ろしい国民性ですよ。


この人達の歌は敵性語らしい、英語だから。
じゃあ、ドイツ語版ならいいのか?