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プペル〜天明の護美人間〜を観賞した感想。


楽しかったし、良かった。

学生時代に歌舞伎を見に行ったけど、古典だったので、全然分からず寝てしまった。
今思い返せば、イヤホンガイドも借りていたので、しっかり見とけば良かったかなとも思うけど、結局はその時点で興味を持てなければ、結果は一緒な所に落ち着きそう。

新作歌舞伎「プペル〜天明の護美人間」は、絵本や映画、ミュージカルで、既に知られたストーリー。それを歌舞伎アレンジしているので、大まかな話の流れが理解出来ているから、非常に見やすく思えた。この辺はスーパー歌舞伎「ワンピース」も同じなんじゃないかなと思う。

歌舞伎の伝統と、現代劇の良さを上手い具合に取り込んでいるのは感心した。口語が、古典に寄りすぎない点や、わかる言葉を使ってくれて大筋が進むのは、歌舞伎初心者には非常に助かるし、気構えなくて良いのがリラックスして、大いに歌舞伎を楽しむことが出来た。

今回は市川ぼたんさん回だったけど、成長を共に見守る楽しさは、歌舞伎にハマる要因の一つだなというのが理解出来た。自分の子供の成長を学芸会で見守る様に、成長を見守るエンターテイメントでもあるのだなと歌舞伎に対するイメージが変わった。頭では、3才ぐらいから舞台に立つのは知っていたが、その意味を体感できたのが良かった。

結構、現代的な演出も多く、レーザーマッピング使ったり、歌舞伎も進化しているのだなと何だかよく分からない目線で見てしまった。ただ、単純な舞台エンタメとしてみたときに、新作歌舞伎というジャンルを好んで観に行こうと思わせる楽しさがあった。その間口の広さから、伝統的な演目も見ていくのも悪くないなとも思えました。

ネタバレに近くなってしまいますが、ちょっと気になったのは、海老蔵さんの太鼓のシーン。スナック西野(有料のYouTubeチャンネル)でも話していたけど、消極的だったのをああいう風に演出したのかとニヤニヤしてしまった。海老蔵さんちょっと逃げたなって思ってしまった。

海老蔵さん演じるプペルはやっぱり映画版のプペルに寄せていた。というか、窪田正孝さんが作り上げたプペルのイメージを崩さなかった。映画から入った人はやっぱりそのイメージがあるから、どうしてもオリジナルに寄せるというのが正しいのかも知れないけど、ちょっとだけ違った方向も有りじゃないかなと思った。個人的には「プペル=間が抜けている」よりも、「プペル=寄り添う優しさ」を前面に押し出すと変わってくるようにも思えた。ただ、素人の意見ですけどね。

楽しい観劇になって、非常に満足でした。

本日、勸玄さんバージョンを見てきます。

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