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利き手ぬぐい師への道 2

手ぬぐいの使い方を知ったのは銀座ベルビア館に入っていたちよっと(かなり?)ハイソはインテリアショップだった。有名な家具、シャレオツなインテリアなどが並んでいる一角にやはりシャレオツに和小物が並んでいた。

小学三年生のとき、わたしは担任の先生が大好きだった。そして生徒全員に人気のある先生だった。先生の誕生日を聞きつけて、みんなこぞってプレゼントを準備していた。勿論わたしもプレゼントを渡したい、さらに言えば、みんなに差をつけたいから手作りにしたいと思っていた。

そしてフェルトの手作りの筆箱をあげることにした。赤いフェルトを半分にし真ん中にファスナーをあつらえ、地にはお花の刺繍をした。先生は勿論とても喜んでくれたし、そのままクラス替えがなく四年生に持ち上がった時も、そして筆箱に穴が開いてしまってもずっと使っていてくれた。今思い出しても本当にに誇らしい。…そんな出来の良いものが突然できるようになるわけがなかった。その当時、母がわたしの目論見を知って母の友人にわたしを頼んでくれたのだ。その人が和裁をする人だった。

つづく

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