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ゲームオーバー Game Over

鑑賞日 2021/4/19
於 アップリンク渋谷
主演 タープスィー・パンヌー

ゲームデザイナーのスワプナの身におこる不可解な出来事とそれに呼応する恐ろしい事件。

 女性ばかりを狙う連続殺人事件が町を震撼させていた。最後の犯行は1年前、そのまま犯人は捕まっていない。スワプナはゲームデザイナーで仕事のあとも徹夜でゲームをするなどややゲーム中毒気味。実は彼女はとある事件の被害者でありそのトラウマに悩まされていた。家には門番を置き、メイドのカーランマと一緒に住んでいる。カーランマは彼女のトラウマをよく知っておりカウンセラーにも同行してくれる大事な理解者だった。スワプナは約1年前にちょっと気分をあげようと思って左手首にゲームのライフマークを模したハート型のタトゥーを入れていたが、そのタトゥーが最近になって痛むようになった。彫り師に相談したところ、1年もたってから痛むのはあり得ないので場所がタトゥーとたまたま重なっているだけで原因は別だと言われる。と同時にそのタトゥーを入れたときに実は手違いがあったことを告げられる。その手違いは痛みと関係あるのか?同じころ、テレビで1年前の連続殺人事件に関する報道が行われていた。


★ここから本気のネタバレand感想領域★
 ちょうどピンク(PINK)を見直した直後だったのて、主演のタープシーが同じような被害に遭っていたのが辛かったです。そういう目に合っても負けない、ということを表現できる女優さんという評価なのかもしれませんが。

 途中までの全く正体の見えてこない犯人は映画観賞者の精神も蝕みますね(自分が怖いのダメなのでw)。トラウマを抱えているスワプナは、犯人の犯行なのか偶然の事件なのか、何度も追い詰められ、過去の事件も蒸し返され、これ以上は生きていたくない、と自殺を試みます。幸い命は助かりましたが生きる気力を失ってリハビリも行わず、ただベッドに横たわっているだけの状態になってしまいます。その時にスワプナのことを聞きつけた一人の女性が訪ねてきました。間違えたタトゥーの本来の依頼主、連続殺人事件の被害者女性の母親でした。娘を忘れたくないから彼女の遺灰でタトゥーを自分の腕に入れた、それとおなじインクをスワプナにも使ってしまったのだけれど頑張って生きてきた娘のことを知ってい欲しい、そういう話でした。スワプナは過去の自分の身に起こった事件が原因で家族と絶縁状態だったこともあり、この女性に母のようなぬくもりを感じます。そして一度は消そうと思ったタトゥーをやはり残そうと決めました。ここでライフ=人生、くじけないで強く生きてというメッセージの伏線が貼られます。後半のポイントになるライフのカウントダウンはゲーム中毒の彼女にリンクさせたものですが、このライフの意味の持たせ方にはインドらしい情緒を感じました(ところで死んだ人を想って遺灰をつかったタトゥーって本当にあるのかな?)。

 いざ事件が発生して犯人が姿を現してからは、いままでの不気味さとは変わって雑なスプラッタ劇のようになるのがやや残念。犯人のつくり込みが甘いんですよね…単独犯ではなく3人組だったのですがそれを割と早くバラしてしまうので謎が薄まってしまいます。かつ3人がせっかく揃いの格好をしているのに背や体型が微妙に違っていてなんだか人間味を感じてしまうんですよね、幽霊の正体見たり枯れ尾花というか…。彼らはチームワークがよいのか悪いのか、統率された犯罪グループなのか、ただのならず者の集まりなのか、などが気になるようになってしまう。何もわからない影だけのほうが先が読めなくてさらに恐怖感が増したのではないかな、と思いました(ぶっちゃけインド映画で本当に怖いのは幽霊やお化けではなく、名誉殺人に見られるような下位カーストやダリットたちへの差別、若者や女性への人権の無視だよなぁと思っています。)

 ライフのカウントダウンてなんぞや?と思った人はぜひ本編を(^^)。
 ところで犯人3人組ってパックマンをパクっていたのかなぁ…

怖い度 ★★★
オススメ度 ★★★
ヒロインキレイ度 ★★★★★

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