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パッドマン atクラハ[20210404]

※clubhouseでの発表内容をメモより起こしたモノです。音声の文字起こしではありません。

インド公開2018年2月、日本公開2018年12月
監督 R・バールキ
主演 アクシャイ・クマール、ラーディカー・アープデー、ソーナム・カプール

 パッドマンのパッドとは生理用品、女性用ナプキンのことです。これはインドで実際に合ったTrue Story。

 主人公ラクシュミカント(以降ラクシュミ)と彼の愛する妻ガヤトリ、二人はとても仲の良い夫婦でラクシュミはガヤトリと片時も離れていたくありません。しかしガヤトリは月に5日間は家の外で過ごさなくてはいけませんでした。それは生理の期間でした。インドでは生理は女性の問題であり男性が口出しできることはないと考えられています。そしてまた生理は穢れであり、生理期間中は女性は家の中へ入ること、夫といえど触れることも許されません。生理の女性たちは家の外のベランダに据えられたいわゆる大きな鳥籠のようなところで過ごさなければなりませんでした。また女性たちは生理の経血を汚れた布、灰、葉といったもので処理していました。映画の舞台は2001年、21世紀になってもまだインドの地方ではそのような状態でした。
 ラクシュミはガヤトリが雑巾のようなボロ布で生理を処理していることを知って衝撃を受けます。そして町の医者からは女性の生理にまつわる衛生状態が大きな問題であり、場合によっては子供が産めなくなったり命を落とすようなことになると聞きました。彼は「愛するガヤトリが死んでしまったらどうしよう!」と大変焦ります。町の薬局にはナプキンは売っていますので、ラクシュミはナプキンを買い、その高価で軽いモノを分解してみました。すると薄い布とフワフワの綿で出来た小さな布団のようなものでした。「これなら自分でも作れる」そう思ったラクシュミは布と綿を調達し、ナプキンを作って妻に送ります。もちろんこれは大失敗作でした。なぜならそのフワフワの素材は超吸収素材セルロースでなければいけなかったのです。ラクシュミから受け取ったナプキンを使いサリーを汚すことになってしまった妻はもう二度とこんなことはしないでくれとラクシュミに頼みます。
 ラクシュミはガヤトリのことを想うと止めることはできません。次々に試作品を作りますが、すでに彼は隣近所から”男のくせに女の生理に口を出す変態”扱いされていたので誰もその試作品を試してくれません。「ならば自分で試せばいい」そう考えたラクシュミは自作のナプキンをあてた女性用下着を身に着け、小さなゴムボールに細い管をつなげたものを用意し、牛の血液を入れて街中へ繰り出します。うまくいった!とおもったその直後、ズボンの股の部分に違和感を感じて見下ろしてみると、股からは大量の血液が染み出てズボンを真っ赤に汚したのです。まさかの大失態を街のど真ん中でしでかしてしまいました。

 ここまでが前半です、そして後半に物語が大きく展開します。素材の問題はすぐ(実際は大変だったでしょうが映画的には割と早く)に行きつくことができました。しかしただ生理用ナプキンを作っただけでは5億人の女性を救うことはできません。結果的に彼は大きな社会構造の変革に乗り出したのです。ラクシュミはいったい何をして5億人の女性を救ったのか…それが映画作品にまでなった要です。いったい何があったのかは是非本編をご覧ください!

★発表後
なんとNetflixに本物のパッドマンのドキュメンタリーがあるとのこと!すぐに見てみました。映画の中で使われているナプキン製造機はほぼ原型でした。そして映画のストーリーのように女性達が働いています、がやはり先は長そう…。でもリアルな姿が見えるので必見です。
ピリオド 羽ばたく女性達

★その他メモ
 この「インド映画、見たよ」のroomはビブリオバトルのルールにのっとって映画紹介、というコンセプトだったのですが、実は前回まで制限時間10分だと思っていたんですね…(^^;。この回から正しく5分以内で、というルールにのっとてのトライでしたが、いやぁとても無理。。。。いずれ5分で納められようになるよう修行します。
 ところで日本でも生理の扱いはまだ微妙と感じます。センシティブではありますが忌諱するものではありませんし、正しい知識が必要です。東日本大震災での避難所での男性の発言などを見聞きしますと(え?ホントにそんな人いるの??)とにわかには信じがたいものでしたね。わたしが前半の最後のラクシュミの姿まで紹介したのも「男ども、生理をちょっとは分かれ」という気持ちがあるからです。男性がラクシュミのあの姿を見たら多少なりとも女性の生理の末端を感じることができるのではと思って。震災から10年、いろんな人たちの認識が変わっていると思いたいです…。わたしも生理では苦労した口なのですが、それはまたいずれの機会に。
 ついでに、ラーディカー・アープデーはわたしの大好きな女優さん。

♪映画はラクシュミとガヤトリの結婚式のシーンから始まります。とても美しくて幸せ。この幸せが永遠に続きますように(そのためのナプキンだよ!)

★視聴情報
Netflix

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