見出し画像

マルコのこと88

 ゾロ目、エリア88。輸液は欠かさず100cc、時間はまちまちだけど続いている。

 前回の針治療のすぐあとは動きは良くなったけどその後も寝てばかりだったので「身体がちゃんとなるには一回じゃ無理で、また戻ったかな」と思っていたら、おとといぐらいから盛んに動くようになった。買い物から帰ってきたらIKEAのステップスツール(マルコが使いやすいように改修済)をつかって棚の上で丸くなって寝ていたのでこちらが腰を抜かしてしまった。

いつの間にか棚の上で寛いでいた

 夜中も歩きまわってトイレをゴソゴソしていた。この時はもしかしてウンチが出るのかと一緒にしばくトイレの前で付き合った。その時は出なかったけれどこの一週間で3回出たので、おなかもやや動いている。トイレもヘリが高すぎるかと思って仔猫用を用意したけどそれはトイレ自体が小さすぎて元に戻した。でもヘリの高さも踏み台があれば問題なく使えるようになった。このままトイレができるようになればいいなと試しに一日はオムツなしをトライしたけど、尿のコントロールは難しいようだったのでまたオムツをした。トイレに入ってはポーズだけしている。

 そして今日が2回目の針治療の日、今日も気持ちよくウトウトしてもらおうと楽しみにしていった。病院は予約制だけどかなり待たされた。待合室にはダルメシアンがいて図鑑以外で本物を見たのは初めてだったのでちょっと興奮した。ミニチュアダックスの子犬が2匹、ずっと楽しそうにはしゃいでいた。マルコ以外にも猫はもう1匹いたけど、猫はキャリーから出さないので種類は分からず。予約なしで針治療を受けられるか相談に来た人もいた。前回の治療のときも施術中に「猫を拾ったので診てもらいたい」という電話が入ったりととても忙しい、かつ信頼されている病院という印象だった。

 いざ2回目が始まり、まずは歩き方をチェックして前回より良くなっていることを確かめてから施術台へ寝かせる。人間は顔を撫でながら身体が動かないように頭部と肩のあたりを抑える。前回同様に耳に漢方薬のオイルをつけて寛がせてから施術に入る。自分にはさっぱりわからないけど先生は手際よく鍼を打っていく。すると今回は部位のよっては反応して跳ね上がって起きようとした。痛みを感じているらしい。わたしはびっくりしたけど、これは神経の反応が前回より良くなっているためとのことだった。全ての部位でそうなるわけでもないので予期せぬタイミングでびくっとなりその度にウトウトから起こされる。そのうちマルコの顔が怒ってきて、やがて『もう絶対に寝るまい…』と睡魔と闘い始めた。今日もそのまま気持ちよく寝入ることを期待していたのでとても戸惑ったけど、先生はそういう子は猫には多いんですよ、と笑っていた。

 今日も診てもらった結果としはマルコの脚が動かなくなった原因は麻痺より腰の痛みだろうとのことだった。動かないというより痛みが酷くて動かせない、その痛みのせいで気力も奪われ動く気も無くすということだったのでしょう、と。モッチが目の前で自由に動き回っているのを見るのを屈辱だったでしょうね、とも言われた。今はかなり動くようになったけどまだ痛みはあるのでまた1週間以内に来た方がよい、とのことで来週の予約をとった。

身繕いするマルコ、この格好もしばらく見てなかったのは痛くて出来なかった為と思う

 施術後、どれくらい良くなったか歩かせてチェックしようと先生が抱き上げたらめちゃくちゃ怒って威嚇のシャーを連発していた。でも先生は元気になってしっかりしてきたね、声も元気だねと喜んでいた。前回のうっとり穏やかな様子は結局は神経が鈍かったということ、また気力がなかったということであり、今回の怒ったり抗議したり鍼を刺してビクッと反応があるのは精神的にも怒るだけの余裕が出てきており体調も良くなっている、ということだ。実際、歩き方チェックのために床に座らせると座り姿の姿勢がすきっと良くなっていた。怒っていてなかなか歩いてくれなかったけどキャリーの蓋を開けて見せたらその中に自力で入った。

 とにかく今回は、まさかの怒るマルコでこちらはずっと戸惑いっぱなしだった。まあでも怒るというのは元気がある証拠だと思うし先生も喜んでいたのでよかったと思う。

 先生は、もう1匹(モム)が自由に走り回っている姿を見せつけられてきっと屈辱だったでしょうね、と言っていたけどそれはどうかな?と思う。マルコは他人と自分を比較する子ではない。ただ、今までは好きに動けたのに動けなくなったことによる困惑はあったと思う。だからこそまた動かせると知った途端に部屋中を動き回り、棚にのぼり、いままで入ったことのないカゴに入り、天気のよい日は一目散にベランダへ走って行ったりと忙しくしているのだと思う。そして明らかに顔が変わった。これまでは強張った表情をしていたなと思う。今は怒ったり鳴いたり甘えたりいろんな顔をするようになった。ヘッダー写真の目力も全然違う。

帰宅後、点滴を嫌がって隠れるマルコ


 体重は2.85Kg、ミルタザピンという食欲増進効果のある薬を出してもらった。本来は吐き気を抑えたりする薬らしく(やはり便秘が酷いと吐き気があるらしい)結果として食欲が増すとのこと。副作用として興奮状態になりにゃーにゃー鳴くようになるかも、とのことだったけどそれくらいむしろウェルカムだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?