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【感想】映画ハケンアニメ!を観た

※この記事の内容は全て僕の主観です。


僕が昔から好きな作家さんに辻村深月先生が居ます。最初のきっかけは学生時代、演劇部だった先輩に誘われて自主制作の映画を撮った際、脚本のモデルになった話が辻村深月先生の「冷たい校舎の時は止まる」でした。

辻村深月先生の書く小説は登場人物の心情描写がとても細かく、気持ちの動きがこれでもかってほど生々しくリアルなとこが好きです。だからこそどの登場人物にも自分を重ねてしまい、自分の心まで忙しく動いてしまいます。さっきの章まではイヤなやつだった登場人物もフォーカスが当てられると理解してしまう、受け入れてしまいます。

ハケンアニメ!自体は前から気になっていたけど読むタイミングもなくいつか、と思っていた作品でした。今回映画を観るに当たって読んでから観ようと読みはじめました。

映画の感想としては読んでから行って良かったなと言う印象です。それぞれのキャラクターの解像度が高く、話を理解しやすかったので。また、後から気付いたんですけどこの話に出て来るキャラクターって「スロウハイツの神様」に出てたキャラクターなんですね。「スロウハイツの神様」に関してはだいぶ前に読んだ物なのであんまり覚えてないけど、なんか見覚えあるなと思って他の作品をパラパラとめくり、王子千春やチヨダコーキの名前を見つけた時には鳥肌が立ちましたね。あの時読んでいたキャラクターがこんなにもフォーカスされているんだと。

中村倫也さん演じる王子監督はとにかく色気がすごかったです。イケメンなのにアニメの話になると早口になるオタク全開のところとか、良く聞くアニメフレーズを会話に使っちゃうとか、アニメに対しての接し方がとても良かったです。「自分の作るアニメがその人の人生の力になるなら普通の人のものじゃなくていい。その一部の人たちのものでいい」的なセリフにもグッときます。なんか本当にもうよく言ったって感じです。

劇中アニメにも力が入っていて、一本の映画を観たのに途中違う作品を観ているようでした。サバクもリデルも断片しか流れてないのにラストシーンで泣いてしまいました。

リデルの「私たちが死ねば良いと思った?」と言ったメタ的なセリフもなんかキャラクターの想いや王子監督の想いが全て詰まっていて泣きポイントです。原作を読んだ際にも泣いちゃったのに映像と声が着くとなおさらだめですね。

サバクも今時珍しい登場人物がどうなったのかぼかすようなエンディングでなるほどこれはハケンになるなと納得するような雰囲気でしたね。

個人的にはロボットアニメ好きなのでサバクを推したいところですがリデルの最後の演出が好きすぎて選べません。

先日ティーチイン付き上映があり、2度目を見に行ったのですが2度目もしっかり泣きました。
吉野監督、谷監督、辻村先生、高野麻里佳さんの制作裏話も聞けて大満足です。

高野麻里佳さんめっちゃスタイル良くて可愛くて良かったです。あと辻村先生話上手だしオタク感があってやっぱり好きですね。

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