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黒猫感謝の日って知ってる?

真っ黒なボディに、まん丸お目め。そんな愛らしい黒猫たちにとって特別な記念日があるって知っていますか?一匹の黒猫と、その飼い主の絆によって誕生した8月17日の「黒猫感謝の日」は、「Black Cat Appreciation Day」と呼ばれ、世界中で親しまれています。
今回はこの記念日に合わせ、ヤマト運輸のシンボルマークでもある黒猫の魅力を探るべく、徹底レポート。猫研究者集団「CAMP NYAN TOKYO」に協力を仰ぎ、黒猫の歴史や性格、知られざるトリビアまで伺いました。

8月17日は、黒猫感謝の日。

©iStockphoto.com / Jozsef Zoltan Varga

黒猫感謝の日」は、愛猫家だったアメリカ人男性が、共に生活していた黒猫の死を追うように亡くなったことをきっかけとし、彼の命日であった8月17日を“世界中の黒猫と、その家族の愛を象徴する日”として制定されています。2011年頃からSNS上で広がり、今では世界中で黒猫を想い、愛でる特別な日となっています。

とくに海外では、黒猫が魔女の使いであるという迷信が先行し、他の毛色の猫に比べて新たな飼い主を見つけることが困難な状況にあります。「黒猫感謝の日」には、世界中のシェルターにいる黒猫たちにとって、最愛の家族が見つかりますようにという願いも込められています。

黒猫あるある豆知識

黒猫っていつからいるの?なんで黒いの?そう、何気なく耳にする黒猫たちの気になる噂はつきないもの。その疑問を解決すべく、猫研究者集団「CAMP NYAN TOKYO」に所属し、猫の性格や遺伝子分野を科学的観点で研究されている荒堀みのりさん(京都大学野生動物研究センター)にお話を聞きました。
CAMP NYAN TOKYOとは・・・
人間にとって身近な動物である猫の行動や知性、生態について研究する、猫研究者たちの集まり。CAMPとは、Companion Animal Mind Project (コンパニオンアニマルマインドプロジェクト)の略。

Q. 黒猫の歴史はいつから始まった?

-A.
「現在私たちと暮らしている猫の祖先は「リビアヤマネコ」と言い、今はアフリカなどに生息しています。この猫の模様はすべて「キジトラ」であることから、私たちにとって身近な飼い猫は「キジトラ」が始まりだと考えられています。そこから突然変異によって様々な毛色の猫が誕生しましたが、人が保護したために、とくに白猫のように自然界で目立ちやすい毛色であっても生き残ることができました。黒猫も人のペットになったために生まれた猫種です。ちなみに、ある1頭の黒猫からすべての黒猫が派生したという研究結果も出ています。」

Q. 黒猫の種類や特徴って?

-A.
「猫の毛色が異なるのは、メラニンに関する遺伝子によるもので、基本的に猫はすべて同じ種類と言えます。メラニンには、明るい色(茶)と暗い色(黒)の2種類あり、複数の毛色の遺伝子がそれらを制御しています。黒猫の場合は、「キジトラ」のシマシマ(になる)遺伝子が働かず、明るい色が出ないために結果として黒猫になっています。色合いの濃さについては、別の遺伝子が決定するため、同じ毛色でも薄い、濃いがあるのです。」

Q. 黒猫に性格ってあるの?

-A.
「毛色による性格の違いはほとんどないと考えますが、毛色に関係する一部の物質は、脳内で神経に関わる物質を兼ねていることがあるので、ごく少ない影響があっても不思議ではありません。ペットと飼い主は似通ってくるという話もあるので、飼い主が思っている性格が猫たちに反映される可能性もあると考えられます。」

みんな知りたい、黒猫トリビア

・日本最古の文献に登場する猫は黒猫だった!?

「無類の猫好きであったと知られる宇多天皇ですが、平安時代889(寛平元)年の在位中に残した日記「寛平御記」群書類従には、宇多天皇ご本人が溺愛していた黒猫が登場します。これが日本の文献上、初めて登場する猫だとされています。
文献では、黒猫について『墨のように黒く、伸びをすると弓のように長い、乳粥を毎日やっている』と書かれており、また飼うきっかけとなったエピソード(中国から輸入されたもの)などが記されています。当時の日記は、私的なものではなく後世にも読まれることを意識していたものらしく、今のブロガーと同じような感覚で紹介されていたようです。」
・黒猫が黒猫じゃなくなる!?

「黒猫は赤茶色に錆びることがあります。これは老化ではなく、黒の維持に必要なメラニンが不足しているためです。メラニンを減らした実験結果では、実際に猫の毛の色が変化し、逆に不足しないようにすると黒色に回復したとされています。」

ヤマト運輸の黒猫シンボルマーク

象徴的なヤマト運輸のシンボルマークは、1957(昭和32)年に業務提携を結んだアメリカのアライド・ヴァン・ラインズ社の親子猫マークに込められた「careful handling(丁寧な荷扱い)」の意味に共感し、その使用許諾を得たことがきっかけでした。

親子ネコマーク誕生秘話

スタッフクレジット:
Illustration:Manako Kuroneko
edit&text:Maiko Narikiyo
Produced by MCS(Magazine house creative studio)

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