なるほど納得政経塾 第三回 「集団内における人間観」
前回、経済学における人間観として「経済人仮説」を説明した。利己心に基づき完全に合理的な行動をするものと仮定される人間観で、かなり現実離れした単純化がなされていることを論じた。この人間観に基づいて、人間行動を観察的に分析しようとしたのが、ホーソン実験と呼ばれるものである。1924年から1932年まで、ハーバード大学のE. メイヨーやF. レスリスバーガーが中心となって、ウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行った観察実験である。
実験は、大きく3つに分類される。第一の照明実験では、最も仕事の能率が上がる明るさを知ろうとした。ところが、仕事の能率は照度に関係なく上昇し続け、例えば殆ど真っ暗にされた作業場で、生産性は最高を記録した。
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