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リスクを取らないリスク

簡潔に書くとダジャレのようなタイトルになった。
リスクを取らないリスクが徐々に世の中の溝を広げている気がする。

人間の本能はリスクを避けるようにプログラムされている。
今の人間か形作られた?原始時代を想像すると、ちょっとした切り傷や骨折ですら、狩りをしなければならない生活においては命の危機につながったはずだ。
私たちはそのような身体的なリスクを当然避けるし、命の危機を感じることが少ない現代においては精神的であったり感情的にリスクを感じることを避ける傾向が強いように思える。

その際たる例が仕事だと思う。
ストレスと感じる上司や同僚は避けたいし、実力以上のパフォーマンスを求められる業務や役割は避けたいし、私生活を犠牲にするような8時間以上の労働も避けたい。

しかしそのようなリスクを取らないことがリスクになりつつある。それはリスクと思わずに飛び込む人間がいるからだ。原始時代の狩りと違って、極端に言えば仕事でリスクを取って失敗しても、それは死に至るものではない。
であれば必要なのは適切にリスクを取る冷静さと、そもそもリスクを取ることでしかリターンを得ることができないというマインドだろう。

一方でリスクを取らない人間は潜在的なリスクを抱え、今や顕在化している。
身の丈以上の挑戦をしないことで能力の開発は遅れ、年齢と共に時間や体力の制約が発生してますます腰は重くなる。
現代において死なないリスクの取り方が可能である一方で、生き死にを意識しないが故に生きていくことの前提であるリスクを取ることを忘れてしまう人間も生まれつつある。

自戒を込めて書きたいのは、人間に本来備わっているリスクを避ける能力を必要以上に拡張することはないということ。挑戦とリスクを恐れて生きることが自分の首を絞める(という性格である)ということだ。

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