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ULハイカーと登山男子・登山女子のための「読経入門」【上級編(前半)・お唱えの仕方】

YouTubeに「読経入門 上級編(前半)」を公開しました。
実際のお唱えはこちらをご覧ください。


YouTubeではお唱えの実際を配信し、
noteではお経の文言と意味を配信します。(今回は文言になります)

上級編では「仏前勤行次第」というお経本のお次第、
最初から最後までをお伝えします。
今回はその前半です。

今回使用する次第

高野山真言宗布教研究所発行の「仏前勤行次第」を使います。
同じお次第でしたら、他のお経本でも大丈夫です。


それでは、仏前勤行次第のお次第を見ていきましょう。

合掌礼拝

恭(うやうや)しく みほとけを 礼拝し奉(たてまつ)る 

ここで礼拝(すこし頭を下げる)をいたします。

本文に「頭」「唱」と書いてある部分があります。複数人で唱える方(経頭、頭人と言います)が唱える部分が「頭」、皆で後に続く部分が「唱」です。

先ず 懴悔(さんげ)

無始よりこのかた 貪瞋痴(とんじんち)の煩悩にまつわれて 
身と口と意(こころ)とに造るところの もろもろの 
つみとがを みな悉く懴悔し奉(たてまつ)る

次に 三帰(さんき)

この身今生(こんじょう)より 未来際(みらいさい)をつくすまで 深く三宝(さんぼう)に帰依(きえ)し奉らん

弟子某甲 尽未来際 帰依仏 帰依法 帰依僧 (三返)

和文の部分は一回のみ、漢文の部分は三回お唱えします。

次に 三竟(さんきょう)

この身今生より 未来際をつくすまで ひたすら 三宝に帰依し奉り
とこしなえにかわることなからん

弟子某甲 尽未来際 帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟 (三返)

次に 十善戒(じゅうぜんかい)

この身今生より 未来際をつくすまで 十善のみおしえを守り奉らん

弟子某甲 尽未来際 不殺生 不偸盗 不邪淫 不妄語 不綺語 不悪口 不両舌 不慳貪 不瞋恚 不邪見 (三返)

次に 発菩提心(ほつぼだいしん)

白浄の信心を発して 無上の菩提を求む 願わくは自他もろともに 仏の道を悟りて 生死の海を渡り すみやかに解脱の彼岸に到らん

おんぼうじ しった ぼだはだやみ (三返)

和文の部分は一回のみ、真言(おんぼうじしったぼだはだやみ)は三回お唱えします。

次に 三摩耶戒(さんまやかい)

われらはみほとけの子なり ひとえに如来大悲(にょらいだいひ)の本誓(ほんぜい)を仰いで 不二の浄信に安住し 菩薩利他(ぼさつりた)の行業(ぎょうごう)を励みて 法身(みほとけ)の慧命(いのち)を相続し奉らん

おん さんまや さとばん (三返)

次に開経偈(かいきょうげ)

無上甚深微妙の法は 百千万劫にも遭い遇うことかたし 
われ今見聞し受持することを得たり 願わくは如来の真実義を解し奉らん

無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 
我今見聞得受持 願解如来真実義

開経偈は初級編でもお伝えしましたが、初級編では和文のみでしたので、
漢文も含めてお伝えします。

長い分、充実感があります

以上が仏前勤行次第の前半です。
開経偈に続きまして「般若心経」をお唱えします。
般若心経の後、後半にお伝えする十三仏の真言になります。

このお次第、最初から最後までお唱えするとだいたい20分くらいになります。
最初はとても長く感じると思います。
しかし、最初から最後までしっかりとお唱えしますと充実感を感じます。
まるで長い距離の登山を歩き切ったような感覚です。
お唱えしていると慣れてきますから、ぜひお唱えください。

後半は次回お伝えいたします。


注)お経の唱え方や次第については、宗派や本山によって異なります。
今回お伝えする内容は私が修行していた高野山の習い・高野山真言宗のお次第でお伝えしています。


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