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#3 僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走・主峰赤岳

山で出会う神さま、仏さまを紹介する「山で出会う神と仏と」。
「僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走」
第2回は八ヶ岳主峰赤岳です。

さぁ、今回はキレットを経て主峰の赤岳に登頂します。

今回のルート

権現岳からキレットを経て、八ヶ岳の最高峰である赤岳を目指すルートです。キレットとは切戸と書きまして、カタカナですが日本語です。
山の稜線がV字に切り込んだところ、簡単に言うとものすごく下って、ものすごく登ります。
今回のルートのハイライト!それでは行ってみましょう。

権現岳~キレット小屋


まずは途中にあるキレット小屋を目指します。
権現岳までも結構登ったんですが、ここから一気に下ります。

縦走中って、山を下るとき何か損したような気分になりませんか?
これ下った分、どうせまた登るんでしょ。
・・・って思ってしまうのは修行が足りないところ。

そんなことを考えていると、八ヶ岳のキレット名物?の
ながーいハシゴに着きました。


朝一なので、ハシゴの鉄が冷たい!
いつもは一気にハシゴを駆け下りるのですが、この長いハシゴは無理。
途中ちょっと止まりながら何とか降りました。
ハシゴを降りきると、アップダウンを繰り返す登山道を歩いて、
キレット小屋に到着しました。

キレット小屋は休業中。誰もいない小屋の前でしっかりと休憩を取ります。
ここから赤岳山頂に向けて、今までむっちゃ降りてきた標高を登り返します。
ここからの登り・・・

壁!!

・・・というのが感想です。いや、足の置き場もありますし、ボルダリングのようなことも無いのですが・・・どこに道があるのかと思ったら、上の方に矢印。あぁ、ここを登るのね。

このシチュエーションで、テンションが上がるのか、下がるのかが登山を好きになれる境目のような気がします。
私はもちろん上がる方。次はあそこまでがんばる、次は見えているあそこまで。そう自分に言い聞かせながら登ります。

そうしていると人の声。
メインルートである文三郎尾根との合流地点にたどり着きました。
この間、全く人と会わない山でしたので、ちょっとほっとします。
私は一人の山歩きが好きなのですが、
我儘なもので、ずっと一人だと反対に寂しくなってきます。

合流地点から山頂はすぐそこ。
八ヶ岳主峰・赤岳山頂に到着しました。

赤岳開山

前回の権現岳で紹介したとおり、八ヶ岳信仰の中心は権現岳でありました。赤岳の開山はずっと時代が下るようです。
茅野市史によると、修験者である信濃(原田)弥吉が同郷の源吉と協力して、安政7年(1860年)に赤岳を開山とのこと。同様の記述が八ヶ岳にある山小屋・本沢温泉にもありました。記述によると、開山の際、山頂に白滝不動尊を勧請(仏さまに来ていただいてお迎えすること)したと書かれています。


今は赤岳神社として祀られていますが、開かれた当初は不動明王さま。修験者によく信仰されていた仏さまです。
そう考えてみると、「不動清水」って水場がありますよね。(富士見高原登山口の近くや御小屋尾根の途中の登山道)

私のお寺にも成田山新勝寺のご分尊、成田不動明王さまがお祀りされています。小さい頃からよく親しんだ仏さまなので、大好きな仏さまですが、
お檀家の皆さまの声を聞くと、たまーに「なんだか怖い!」という方も・・・。
剣は魔を払うため、持っている綱は私たちに手を差し伸べるためのもの。
実は慈悲の仏さまなんです。
(この辺、またゆっくりお話します。)

さて、私。
初めて赤岳に登ったのは学生時代の縦走でしたが、それ以来なぜか八ヶ岳は天気が良くないときが多く、前シーズンに至ってはほとんど展望ゼロでした。
ところが、この日は快晴!初めて山頂から快晴の景色を写真に収めることができました。

次回、阿弥陀岳へ

僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走。次回は最終回、阿弥陀岳に登頂し、美濃戸口へ下山します。
天気が良かったのはここまで。阿弥陀あたりか雲行きが怪しくなってきました。
乞うご期待です。

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