僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #1 高尾山の「天狗さま」発祥の地
今回から3回に分けて、僧職系登山男子と行く雪山登山・飯綱山をお送りします。
第1回は、飯綱山のご紹介と登山口までの山行記録です。
山行の様子を動画にしました。こちらも合わせてご覧ください。
飯縄山ってどんな山?
長野県長野市にある山で、標高1917.3m。戸隠神社で有名な戸隠山の隣にある山で、歴史的にも戸隠と関係の深い山です。二百名山。
この山は「飯縄大権現」が勧請された地です。
飯縄大権現とは、高尾山薬王院のご本尊さまでもあります。
飯縄大権現とは
東京都八王子市にある高尾山。登山者数日本一の山ですが、その高尾山で天狗の像や絵をよくご覧になると思います。
高尾山にあるお寺・薬王院のご本尊さまの「飯縄大権現」は天狗のようなお姿。
その眷属(お供)も天狗であり、
そんなことから高尾山といえば天狗なのです。
飯縄権現は「五相合体」の神さまとされます。
不動明王を中心として、5つの仏さまが合わさっている神さま。
天狗のお姿は迦楼羅天(かるらてん。インド神話に出てくる鳥の王。竜を食べるとされている存在です。)で、剣は不動明王さまですね。
中世には、戦勝の神として武将たちの信仰を集めました。
上杉謙信の兜に飯縄権現が祀られているのは特に有名。
私が色々とご指導いただいているお寺のご住職は、お若いときに高尾山で修行をされていました。
飯縄権現さまについてお聞きすると、
「一度拝めば、5つの仏さまのご利益があってね。だから、盛んに信仰されるんだよ」
と教えてくださいました。なんとお得な神さまなんでしょうか。
皆さん、高尾山に登ったら是非手を合わせてきてください。
私のお寺では、毎年1月に「信州高尾講」という集まりで、高尾山への初詣に行っています。(2021年は中止)
初詣と言っても1月下旬なのですが、長野県中信地区のお寺さんの檀信徒の皆さまが参加します。
松本から臨時列車が出まして、本当にたくさんの方が参加します。
薬王院本堂で護摩祈祷を受けまして、奥にあるご本尊様にお参りをします。
ご本尊の飯縄権現さまは本当に迫力のある仏さま。
お写真で紹介できないのが残念ですが、
薬王院でご祈祷を申し込まれるとお参りできますので、
是非直接ご覧になってください。
ちなみに私、
高尾山へは毎年行くのですが、
山頂へは一度も行ったことがありません。
飯縄山へ
この飯縄権現の信仰は、長野県にある飯縄山が発祥で、
高尾山や日光など、関東一円に広まっていきました。
今回はこの飯縄山に登ります。
ルートはいろいろあるのですが、「南登山道」から。
このルートには13の仏さまの石仏がお祀りされています。
戸隠バードラインという長野市から戸隠を結んでいる道路沿いに登山者用の駐車場があります。ここに車を泊めて登山口を目指します。
標高2000mを切る山ではありますが、雪深い北信の山であります。
厳冬期の登山装備(アイゼン・ピッケル)、ラッセルを覚悟して「わかん」(雪が深い場所で足が沈まないようにする道具)を持ってきました。
装備をしっかり整えて、出発です。
飯綱高原の別荘地の中の道を行くと、鳥居が見えてきます。
ここからいよいよ、飯綱山への登山が始まります。
そんなところで次回です!
それでは次回、いよいよ飯縄山に登っていきます。
道中にお会いする素敵な13の仏さま。しっかりとお勤めしながら、登っていきます。
是非次回もご覧ください。