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ギリギリの人生 ~アルコール依存症とわかってから~ 番外編(危険な恋...)No.4

前回より

すると彼女からは、
「一人の男として見ている」
と。

私の心の中に彼女への気持ちが友達から恋愛対象に変わった瞬間だった。

やはり『友達』と思っていた女性から『男』と思われてるのを直接聞くと意識しない男は居ないはずだ。

特に私は典型的な単純お馬鹿さんなので一気に彼女に好意を持ってしまった。

会った事も無くSNSと言う文字だけの繋がりで人に恋心を抱くとは思いもしなく、自分が妻以外の女性に好意を持つともこれっぽっちも思ってなかったが、心の何処かではぽっかり開いた穴をふさいでくれる女性を探していたのかもしれない。

この時の私は既に妻子とは別居中の身で心身共に寂しい思いをしており、ブログの中でその気持ちを忘れようともがいてたのは間違いない事実であった。

しかし、婚外恋愛で悩んでた女性に相談されてた自分がその相談相手に好意を抱いてしまう...
とても不思議な感覚だ。

これを読まれている方は高橋真梨子の『For you 』と言う名曲を知っているだろうか?

知らない方は是非一度聞いてもらいたい。

まさにこのようなパターンの歌である。

話に戻るが、そのやり取りの後からは毎朝「おはよう」昼は「お疲れ様」夜は「おやすみなさい」等、年甲斐も無く浮かれて二人だけのブログで盛り上がっていた。

そしていつしかLINE交換するようになり二人だけのブログは閉鎖し、お互いの写真を送っては「可愛い」やら「会いたい」やら、今思い返すととても恥ずかしい内容のやり取りをしてたものである。

そして写真だけでは物足らずに電話番号の交換も行った。

私は別居中で一人住まいなので気兼ねなく話せるのだが、彼女には戸籍上夫婦では無いとはいえパートナーがおり、子供達も居る身なのでこちらからは電話はしない約束は交わしていた。

そして初めて声を聞く日が来た。

彼女の声はとても可愛らしい声で緊張してる感じが伝わってきて、こっちも緊張してしまう。

ちなみに彼女は私と同じ歳であり、4ヵ月だけ彼女が先輩である。

可愛い声をしてるね、と言う話は覚えているのだが後は緊張してた為に頭が真っ白で何を話したかは全く覚えていない。

先程書いたように可愛い声は今でも頭にこびりついている。

それからは2~3週間に1回程度電話はしていたが、彼女が夜にゴミ捨てに出た時に電話だとか、休みの日に誰も居ない時に電話して話すというのが多かった。

ただ、彼女は電話で話すのはかなり苦手なようで、これまでも家族や仕事以外では滅多に電話する事は無いと言っており、以前婚外恋愛していた彼とも電話は一度しかしてなかったそうだ。

私としては既に舞い上がっていたのでそれでも十分満足していたのだが、ある事がきっかけでこれまでの楽しかった事が嘘ではないかと思うようになった事がある。

それは彼女がブログでやり取りしてる別の男性。

何気に彼女のブログを見ると親しげに会話をしており、私との会話とは全く違うハート文字や可愛らしい言葉を並べており、それを見た私は一気に頭に血が登り彼女を問い詰めた。

そんな子供みたいな事をしなければ良いのにと今なら思えるが当時はそうではなかった。

私とのブログでの会話は一行、その男性とは長く話をしており、私はもしかしたら【かませ犬】じゃないかとその当時は思ってしまったのである。

彼女の言い分は、仲の良い人には冷たく当たってしまう。
それ以外の人には本音を見せない。

わかるようなわからないような言い訳であったが余り揉めたくもないので、こちらから誤り取り敢えずその場は収まったのだった。

そして私が解離性障害と診断され入院する事になったのだが、彼女には違う病気での入院と伝えてやり取りは続けていた。

彼女から声が聞きたいとLINEが入れば電話が出来る場所に行って話をしたり、難しい時は人が来そうにない場所で声を潜めて話をする、そんな繰返しで入院中は連絡を取っていたが、彼女のブログでは以前と変わらずに楽しそうな会話をしているのを見ていた私はモヤモヤした気持ちはずっと残っている。

退院した日には2日続けて長時間話をしていたのだが、彼女の気持ちは自分にないんだろうなと言う思いは常にあり、それでも楽しく装う会話をし、ある意味自分に言い聞かせていたと今は思う。

そして年が明けた1月、そのモヤモヤが私の知らない所で爆発し火の粉が飛んできて私と彼女の仲は終焉を迎えていくのであった。


続く

※追記:本当はここで終わらせる予定でしたが次で最終回にします!


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