目が覚めたら10年後だった件〜プロローグ〜

季節が春から夏へと季節が移り変わり街中を歩く人も夏服へと衣替えをしている。かくいう俺、久保〇〇も制服を夏服へと衣替えした…おっと少し話が逸れてしまったな。これから始まる物語は俺が高校2年の夏に起きた出来事が引き金となり10年以上にも渡る因縁の始まりとなる物語である。

ー2013年•7月ー

うだるような暑さと常に流れ続ける汗に憂鬱な気持ちになりながら信号待ちをしていた。暑さのせいかぼーっとしており、だからか己に迫っている危険とこれから起こる悲劇に気づかなかったのだ。

信号が変わり渡ろうとした瞬間、ドンという衝撃を背中に感じそのまま歩道に倒れ込んだ更に運が悪いことに信号無視をし突入してきたトラックに跳ね飛ばされてしまった。地面に強く叩きつけられた痛みに耐えながらききーっというトラックの急ブレーキ音と周りの人間の悲鳴を聞きながらもその中に夏にも関わらず冬の制服を着ている人間の後ろ姿を確認しそのまま意識を手放した。

〜〜〜

○:っ…(どこだここ?病院か?)

目を覚まして最初に目に入ったのは真っ白な天井だった。

看:○○さん、目を覚まされたのですね!よかった。今先生を呼んできますね!!

そこへ俺の様子を見に来た看護師の人がやってきて俺が目を覚ましたことを先生へと教えに行った。

先:○○くん目を覚ました様で良かったよ。

しばらくして看護師の人が先生を連れて戻ってきた。

○:先生…1つ聞きたいことがあるんですがいいですか?

先:なんだい?

○:いまは何年ですか?

先:2023年だよ?

はぁ!?

先生の口から出てきた年数に俺は驚いた。俺がトラックに跳ねられたのは2013年のことだったので10年間も俺は病院にいたということになる。

先:さらに言えば年号も平成から令和へと変わっているよ。

まじかよ…目を覚ましたら10年間も時が経っていただけでなく時代も1つ変わってるのかよ。

ん?ということは歳もそれだけとってるのか…てか高校の方はどうなってんだ?まさか退学って訳では無いよな?

先:それともうひとつ重要な事を教えなくてはならないんだ。

重要なこと?

○:なんですか?その重要なことって?

先:君の家族には既に話をしてはいるんだが君が意識を取り戻すまでのこの10年間、奇妙なことに身体の成長が止まっているんだよ。

○:!?

見た目は高校2年で実年齢は28歳って事だよな…なんかややこし過ぎて理解できないんだが

先:僕も医者として今まで色々な患者さん達を見てきたが君のような患者は初めてで少し戸惑っているよ。

でしょうね…俺も戸惑っていますもん。

先:とりあえず数日間は様子見と当分の間は経過観察として病院に通院してもらうことになるから宜しくね!

先生が笑顔でそう言った。

○:こちらこそ宜しくお願いします!

俺もそれに対して頭を下げて言った。

先生と看護師の人がお大事にと言い病室を出ると俺は窓から見える景色に思いを馳せた。

To Be Continued



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