現実逃避のために行った場所について
こんなの辛くてやってられるか
という思考に結構な頻度で陥る.
私は心の限界値を超えると,ここではないどこかに逃げたくなり,1週間程度自宅を外すということをよくしていた.それはただの旅行であったり,あるいは論文を書くためのカンヅメ部屋としての利用であったり.
行った場所をつらつら共有する.
2021年度(D1)
2021.12 - 2022.01 沖縄
私はかれこれ2013年から年越しを自宅外で行っている.
大晦日に遠出し,初詣を1/1の0時に出先の神社で行い,初日の出を見に行くというのがお決まりのルーティンである.
この年は「筑波の寒さに嫌気が差した」と「そういえば沖縄行ったことないやん」という単純な理由で大晦日から4泊くらいの旅を沖縄でした.
那覇空港で降りると,1月とは思えない暖かい気候に心を救われた.
本州でいう10月くらいの気候.台風の心配もなく,海にも入ろうと思えば入れるうような気温.
どこに行っても基本的に海が青く砂浜が白い.
都会の喧騒を離れ,ぼんやりと海を眺めたり,波の音を聴く時間はプライスレス.
面白いスポットもたくさんある.
自分へのご褒美として海を見れる貸切温泉にも入った.
2022年3月 湯河原
確か論文を書いていた時期だったと思う.
自宅での執筆に息が詰まっていたので,執筆に煮詰まる->温泉でチル->執筆戻る-> ・・・のループを繰り返し,執筆中のQoLを高めていた.
正直めちゃくちゃ効果があった.論文を書いている人には,自宅や研究室で書くことに辛みが出てきた際のショック療法として試してみてほしい.
この時の論文は無事Acceptされたので,一応効果は多少なりともあったのだと思う.
作業する時は高さのちょうどいいデスクなどなかったので,押入れの中に座布団を積み,スタンディングデスクがわりにして作業していた.
2022年度(D2)
2022年4月 京都
なんとか先述のサブミットを倒したものの,疲れからか作業になかなか復帰できずにいた.5月にまた別のサブミットがあるため,心をリセットする意味で別の地へ向かう.これまでガッツリ関西に行ったことがなかったので,思い切って京都に観光することにした.この時はロックダウンで本当に人が少なく,運が良かったと思う.
また,ちょうどよく桜の季節と被り,最高だった.
2022年5月 三島
ゴールデンウィークの時期,2022年第2のサブミットもとい博士課程の最大の正念場に備え,また執筆旅行をした.さわやかのハンバーグを食いたくなったため,東京からの距離が近く,かつ混雑が比較的まともである長泉店が近い三島のドーミーインでカンヅメ論文作業をしていた.
また論文作業に行き詰まった時,脳の疲労をとるという口実で,わざとあてもなくスマホも持たずに歩き,謎の工場に行き着くなど迷子になっていた.今考えてもなぜこのような行為に至ったのかわからない.
ちなみに,5月下旬のデッドライン翌日にディズニーシーに行く予定を入れており,デッドライン当日の追い込みには幕張のアパホテルタワーを利用していた.
のちに辛くもAcceptとなったものの,出来に全く納得の行かない論文をサブミットし,心がどん底になっていた.サブミットを終えた後下のフロアにあるローソンで大量の酒を買い,部屋で浴びるように飲んだ後の記憶はまるで消えていた.
翌日のディズニーにアルコールが後を引かなかったことだけは良かったかもしれない.
2022 6月 草津温泉
これは先述のサブミットを倒した後くらいだったと思う.
アクセプトされる確率も低く自信もなく,これが通らないと3年修了は絶望的になる,etc.なんやかんやでメンタルがボロボロになっていた.なので,日本一の温泉に癒してもらうことにした.
温度と効能の強い湯が全てのストレスを溶かしてくれた.
また,ずっと行ってみたかった,バイカーの聖地である毛無峠にも行った.
ここは硫黄鉱山の跡地で,亜硫酸ガスの影響で樹木が枯れ,見晴らしの良い峠となっている.
道中ガードレールのない崖などがあり,病んでいたあまり「ここで車ごと落ちたら博士課程なんてやらずに済むわガッハッハ」とか独り言を運転しながら言っていた記憶が朧げにある.
2022年8月-12月 韓国
留学していた.この時の体験談は他の記事にあるので見てほしい.
世界規模の花火大会が9月くらいにあったのでテジョンからソウルまでわざわざ行って見た.スケールがすごかった.
特別なところではないと思うが,寿司をずっと食ってなかったので禁断症状が出ていた.ソウルでスシローを見つけ,バキュームの如く寿司を接種した.
他,慶州や釜山等に観光した.が写真が残っていなかったので割愛.
特に慶州はとても良かった.日本で言うと京都のような場所.日本のそれとは違う歴史的建造物が映えて美しい場所だった.また行きたい.
2023年2月 熱海・伊豆
オンラインの学会があったが,自宅から学会に参加する気にはなれなかったので,熱海まで行った.東横インに泊まった記憶がある.
オンラインの学会にわざわざ旅行に行くことで,なんとなく特別感を味わうことができ,脳の状態のリセットになったと思う.
なお,ホテルのテレビに繋げるためのHDMIケーブルを持っていくと色々と捗るのでおすすめしたい.
発表後,河津桜の季節だったのでわざわざ熱海からレンタカーを借りて伊豆半島の先っちょにある河津町まで行って河津桜を見ることにした.
下道の山道を2-3時間走らせる必要があった気がする.めちゃくちゃ遠かった.運転大変だった.
桜がこれから来る未来への不安を癒してくれはしなかったが,寄り添ってくれた気にはなった.
2023年度(D3)
実はまだ個人の旅行には行けていない.ここのところカンヅメだったのでどこかに行く機会は作りたい.
強いて言えば,先々週に学会で出張したフィンランドだろうか.学会のセッションの空き時間で街を回ったりしていた.ヘルシンキはとても街並みが美しく,整っていた.
2023年9月 フィンランド
この学会でもたくさんの素敵な研究者・学生の皆さんと出会った.
研究を頑張って良かったと思える瞬間だった.
おわりに
博士課程におけるリフレッシュの仕方は人それぞれだと思うが,幸い情報系博士の多くはこの働く時間・場所を自由に決めることができる生活をしているのだから,こういった未知の場所へのまとまった遠出で心を癒す機会を作るのも良いのではないだろうか.脳科学的にも効果があるとかないとか言われているらしい.この言説自体は科学的には眉唾物なのかもしれないが,少なくとも私の経験上とても効果があった.
Acknowledgements
本記事における旅行は主にJST次世代研究者挑戦的研究プログラムの生活費相当支給分より費用を捻出しました.研究に邁進するためのエネルギーとさせることができました.感謝いたします.