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転んでも起き上がる練習

自然環境リテラシー学 参加コースA2 2021年8月7日~8日

今回も三重大学の自然環境リテラシー学で体験したことを書きます。このマガジンはカヤックについての詳しい知識が書かれた記事が多いので、他の記事も読めば自然環境リテラシー学を受講したのと同じ知識が得られるでしょう。

今回も、感染対策をしてもらえればという条件で地元の区長さんに承諾を頂いたそうです。今までは平熱を聞かれると大体で答えていましたが、体温を測りすぎて自分の正しい平熱がわかってしまいました。36.7℃です。高めですね。

天気

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↑一日目の天気。にわか雨がよく降った。

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↑二日目。台風一過、青空が広がった。

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↑天気がいいと海も綺麗。

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↑晴れ過ぎて暑かったので、熱中症対策。海上でも水分補給をこまめにしたが、飲み水が太陽に焼かれてお湯だった。


台風

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(出典:気象庁)

今回は、日本付近に台風が三つもある中で前日の夜を迎えた。
うねりを伴う予報だったので湾の奥で実習を行うことになってしまった。予定していた無人浜でのキャンプもお預け。

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二日目に太平洋が見えるところまで出た。湾の中から外を見ると、水平線まで真っ平らな海。しかし、インストラクターの方によれば、その景色からは4〜5mの波があることがわかるという。理由は、奥の岩場に立つ白波(写真にはなぜか写っていない)。岩に白波が立っているときは大体波が高いらしい。たしかに考えてみれば、何キロも先に見える大海原のたった数mの凹凸がわかるわけがない。


パッキング

無人浜キャンプができなかったのでカヤックに荷物を詰めて出すだけになったが、パッキングの方法も習った。水没しないように防水することと、重さを真ん中に集めて全体のバランスをとることがポイント。防水の袋だけ荷室に入れて、後から荷物を入れると入れやすい。


グループレスキュー

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↑まずは無事を確認しながら救助に向かう。風や水に流されると近づくのが難しそう。落ち着くような声をかけると落ち着く。「今日はいい天気ですね~」「曇っとるで

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水抜き。これをしないと船内が水でたぷたぷになる。この時のカヤックを上から見た形が"T"のようになるので、Tレスキューともいう。パドルは救助する人が持っていると無くさない。

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↑カヤックを平行にして上がる準備をする二人と映りこむ。ちなみにカヤックの向きは互い違いにする。

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↑ 救助する人はしっっっかり体重をかけて再転覆しないようにカヤックを押さえる。上がる者は足を水面付近でバタバタしながら腹まで乗り、うつ伏せのままカヤックの前方に足を向けて、コクピットの中に足を入れていく。重心は水面付近にしないと安定しない。腰の位置までコクピットに入ったらカラダを回転させて,定位置に座る.救助してくれた人からパドルを受け取って,レスキュー完了.


セルフレスキュー

沈(転覆)したら,まずは落ち着いて水面に顔を出す。パドルはカヤックのラインなどに絡めて固定しておく。

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↑水抜きをしたいができない人の図。本当はグループレスキューのように片方を持ち上げて水抜きするのだが、何度も息継ぎしている。後の彼曰く「下に潜って押したけど、PFD(ライフジャケット)ごと自分が沈んだ。カヤックが重すぎるから諦めてひっくり返した。」と船内の水を掻き出しながら。

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↑諦めてひっくり返した。

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↑人が変わったのは多分幻覚。支えてくれる人がいないので難しいが、頑張って上がる。今度はさっきと逆で、頭をカヤックの前方にする。またがって重心を下げる。

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↑最後にそのまま起きて、尻から格納する。

レスキューまとめ

今回の大きな成果は、カヤックにおけるレスキューを習得したことだろう。カヤックから誤って転落してしまった場合の復帰方法を学んだ。1日目は二人で、2日目は自分一人で船上に戻ることができるようになった。これを覚えたことで、自分がカヤックから転落したときはもちろん、他人が転落した時も助けに行けるようになった。このことはAEDが使えるのと同じくらい大事なことだと、私は思う。

初心者とカヤックに乗る状況で役立つ上に、経験者でも水を飲んだりしてパニックになると自分で上がれないことがあるため、他人を助けられるスキルは集団の中に必ず必要だ。それを覚えられたのは嬉しい。

一人で復帰するスキルは、自分が助かるだけでなく、漕ぎに自信がつく。万が一落ちても戻れるということがわかるからだ。また、練習をするには自分で落ちたり乗り込んだりしなければならない訳だが、ここで不安定な状態を何度も体験することで、重心をズラす限度が分かる。

カヤックも七転び八起きってことかもしれない。

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