簡易生活の概要

簡易生活とは明治から大正昭和という長い時間をかけて、簡易生活者たちが作り上げたものである。そこに至るまでに、簡易生活者たちがなにを考えどう行動したのかを「簡易生活のすすめ」で描いた。

簡易生活は面白い考え方なのだが、残念なことにそれらの活動を集約し体系化する人が当時はあらわれなかった。次に掲載するのはいくつもの文献を読み込んだ上で、おそらく彼らが実現したかったことを推測し、個人的にまとめたリストである。

01. 悪いより良いほうが簡易であるから「良くなるように心掛ける」。
02. 迷信よりも科学のほうが簡易であるから「科学的に分析する」。
03. 「理屈で考え合理的に行動する」ほうが迷い続けるより簡易である。
04. 続かなければ意味がないので「極端にならない」。
05. 他人は自分ではないのだから「他人の思惑や評価で自分の意思や行動を変えない」。
06. 「好きなことは好きな時に好きにする」と簡易である。
07. 不合理な習慣を見直し「虚礼虚飾の廃止」を断行すれば生活が簡易になる。
08. 「必要にして十分なもので生活する」と簡易である。
09. 「機能を中心に選択する」と必要なものが選べるようになる。
10. 「機能が最大限に発揮できるように使用する」と物が減らせて簡易である。
11. 物だけでなく「自分と他人の能力が最大限に発揮できるように行動する」。
12. 「自分と他人の能力も最大限に活用する」ことで生活が楽になる。
13. 他人の能力を活用するため「他人の能力を上げるように行動する」。
14. 向上した「他人の能力を利用を最大限に使う」。
15. 他人の能力を発揮させるため「他人と平等に接する」。
16. 平等にするため「自分のことは自分でできるようにする」。
17. 他人と効率良くやりとりするため「良いことも嫌なことも素直に伝える」。
18. 嘘は煩雑なので「正直にする」と簡易である。
19. 執着すると煩雑なので「とらわれない」。
20. 一度に良くするのは無理なので「社会の状況に合わせて最も効率の良い方法を採る」。

並べてみるとなんだか説教くさいような気がしてしまうが、簡易生活者たちの活動を眺めていると、普通の人が楽しく人生を送るために作った普通の方法だと思っていただけるはずだ。そのあたりの様子は「簡易生活のすすめ」で確かめてもらいたい。


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