山下ゴム男が訪れた場所 -聖地巡礼(独断)の荒船山麓-
20220101
南総里見八犬伝に荒芽山(あらめやま)という山が出てくる。
妙義の近くに位置すると書かれている。
その麓にある家(音音(おとね)の住まい)を中心にした戦いで、五人の犬士と一組の夫婦と二人の寡婦が生死不明のまま離散する、ストーリーの展開上、重要なターニングポイントとなる(と思われる←まだ半分も読んでいないのであくまで推定)場所だ。
読書メモに書いているように、荒芽山の戦いの後、物語は時間の流れを変化させる。
荒芽山は南総里見八犬伝において、そんな重要な舞台を構成する山なのだが、ウェブで調べても出てこないし、群馬で生まれ育ったパートナーに尋ねても知らないと言う。
文献を調べればこの程度のことはわかるのだろうけれども、手間をかけたくないのと、荒船山(あらふねやま)のことだと想像されるのとで、彼の山だと独断し聖地巡礼に出発した。
それまでと時間の流れが変わる場所なら元日は巡礼にふさわしいはずだと考えた。
🐱
氷点下 3℃ の荒船山麓。
荒船神社(里宮)に行き、
荒船の湯につかった。
このあたりを舞台に物語が展開したのだと思うと、嬉しくてたまらない。
僕の頭の中に火に包まれる音音(おとね)の住まいが現れ、そこを死に場所とする覚悟で奮戦する夫婦、敵に惑わされながらも切り抜けようとする犬士たち、一頭の馬に乗った二人の貞女が躍動し走り抜ける。
目に映るのはただの景色ではない。
僕は物語に感謝した。
🐱
帰りの車を降りてパートナーと空を見上げた。
下仁田の空は暗くてたくさんの星が輝いていた。
久しぶりにこんな夜空を見た。
いい正月だ。
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