山下ゴム男が読んだ本 -南総里見八犬伝 六-


読了日: 20220331

●馬琴は本当にすごい。その饒舌は、方向は違うけれど、ドストエフスキーを思い出させる。

・八犬伝は水滸伝や西遊記伝と異なり、「始あれば終あり。中途にして立滅(たちぎえ)せし者、一人としてあることなし。」らしい。
→本当かな?

・追放された素藤は「立地に啖ひ尽せば、海月の骨にあふ心地して、然ばかり力つきにけり。」
→上手い。

・妙椿が素藤を遠回りさせて誘ったのは「わが精妙の手段あるを、おん身に知せん与なりき。」
→使えそうで勉強になる。

・胸広かりし名将も、測り難たる妖けつ魔障、覚んとしつゝまだ醒ぬ、無明の酔ぞ深かりける。
→上手い。

・鎌倉山にあらねども、奇異にあふぎがやつの鐘、数へもやらず夏の夜の、…
→上手い。

・呈閲
→ほしかった単語

・反間の幻術
→便利そうな言葉

・こころ得がたし
→とても便利なので積極的に使いたいと思う。

・……と知れる者の話なり。
→話をうまく捌ければスムーズに流れるか。

・茶屋の老婆の話を聞き、その場を離れた後で、親兵衛は「奇なり。那老媼が物のいひざま、民間微賎の者に似ず、いかなる人の果やらん。」と思うが、このタイミングで十分新鮮。

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