STORY ６

電話やSkypeを使ったセッションをずいぶん前からしていた
(今はまったくしていないが(笑)
お子さんがまだ小さい方には お昼寝のタイミングであったりとか
既に お子さんが夜眠ったあとにセッションをすることも多かった
それでも 何かを察知するのか
急にお子さんが起きて中断することも少なくなかった

しかし
彼女とのセッションは 子どもが起きてこようが騒ごうがお構いなしに
そのままセッションを続けていた(笑)
なので
子どもたちの声や 構成も手に取るようにわかった

彼女の家に向かう道は とっぷりと夜も更け
家路に向かうクルマで渋滞もしていた

塩梅がわからずに予定を詰め込み過ぎたようで
正直 辿り着くのがやっとなほどだった
運転するのは楽しくて仕方なかったが 考えてみたら6時間以上も運転してた
さすがに疲れてた
しかし 向かう先が気心知れた彼女のところだったので
とにかく 辿り着いたら とりあえずはホッと出来るような気がしてた

ようやく 家の近くまで来た
少し先にコンビニが見えたので 子どもたちにお菓子でも買っていこうと
クルマを停めた

電話口から聞こえていた 幼児の声
3人の子どもたち
わたしの記憶の中では まだ小さいイメージだった
あれから 約10年も経つのに・・・

コンビニで 無難なスナック菓子を何種類か選び
彼女の家の方向にUターンした
夜9時を過ぎていた
普通なら 他人様の家に伺う時間ではない

家の前の道まで出て来てくれていた彼女を見て
一気に安心して 疲れが吹っ飛んだ
「こんな疲れた感じでごめんねー」
そう言うと

「いやいやいや 瑞恵さんが来てくれるだけで充分なんで！」
優しい言葉に さらにホッとする

お宅の中に入り ダイニングに進むと そこには夕飯を食べている高校生の男子がいた・・・
「これ 長男です」
「ほら お母さんがお世話になった瑞恵さんだよ ちゃんと挨拶して！」

藪から棒に そう言われましても　だよね
しかし こんなに大きくなったんだ・・・
そっか

そうだよね 10年だもんね

変な表現だけど
部屋のあちこちから ご家族が「生きている」ということが伝わって来る
みんなが協力しながら お互いを大切にしながら「生きている」っていう
そんなのが あふれるほどに伝わって来る

一生懸命 子どもたちを 育てて来たんだろうなぁ
どんなことも明るく笑い飛ばして ここまで来たんだろうなぁ
しみじみそう感じた
そんな彼女の歴史に 少しでも関わらせてもらうことが出来たことに深い喜びを感じた

そのうち 次男くんの部屋にもわざわざ行って
「瑞恵さんが来てるから挨拶しにこっちに来なさい」と
ご無体な要求をする声が聞こえてくる

そんな わけのわからないおばちゃんが家に来てて
いきなり挨拶しろって もう
いやいやいや・・・
ほんとすみません突然 しかもこんな夜遅くに と恐縮していると
買って来たスナック菓子をとっても喜んでくれて
瞬時に表情が変わって笑顔になり

「こんばんは！」
「いただきます！」 と言ってくれた(笑)

お菓子買ってきて よかったーーーーヽ(=´▽`=)ノ

そのうち
「これも 持ってってください！」
「これも！」
彼女は
これからわたしが旅の途中で役に立ちそうなものを
家の中を探しては テーブルに置いて行く(笑)
お茶のペットボトル
すぐに食べられるようなクッキーやビスケット
テーブルの上は あっという間にたくさんの食料品でいっぱいになった

どんだけ ”あげたいひと” やねん！！！

「あと 瑞恵さんに何か渡そうと思って 今日買い物に行ったんですけど」
「迷っちゃって」
「で！結局 コレにしたんです」
「腐らないし いろいろ使えそうだし！」

そういって 渡されたのは とある調味料だった

　　　　　新　し　い　！！！
　　　　　斬新すぎる！！！！

この カンタン酢を旅の途中で使う時が来るかも知れないし
何より！
スーパーのお酢売り場でカンタン酢を見たら
この先ずっと 彼女のことを間違いなく思い出す！ うん！絶対！
いやぁ・・・ おばさん1本取られちゃったな！(゜∀゜ゞ)
わたしも こんなふうに
相手に強烈な印象を残せるモノを誰かに贈ってみたいと思った

場所は 神奈川県だけど
東京の下町に永く住んでるような 飾りっ気のない根っからの いい人
いっつも走り回ってて 自分のことは後回し
面倒見のいい気さくなおばちゃん
そして 家族を何よりも大切にしてる そんなひと

彼女に出逢えたわたしは 幸せ者です

STORY ６
原田美佳さん

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